民間軍事会社ワグネルグループの武装反乱以降、ロシア国内でウクライナ戦争終息に向けた平和交渉支持世論が急増したことがわかった。ウクライナ戦争に対する不安感が大きくなったと分析される。こうした状況の中でもロシアのプーチン大統領の支持率は大きな変化がなかった。ただ核心権力層内部の分裂はさらに明確になったという診断が出てきた。
◇反乱後に終戦世論高まる
ブルームバーグとニューズウイークなどが先月30日に伝えたところによると、ロシアの独立世論調査機関レバダセンターはロシア全域の成人1634人を対象に世論調査を実施した。調査期間は22~28日で、ワグネル創設者プリゴジン氏が武装反乱を起こした23日とタイミングが重なる。
この調査でウクライナとの平和交渉を支持するという回答率は1カ月前の45%から8ポイント上昇の53%を記録した。これに対し戦争持続に賛成する回答は39%で1カ月前の48%から9ポイント下落した。
レバダセンターのデニス・ボルコフ局長はブルームバーグに「今回の反乱でウクライナの戦場にいるロシア軍の作戦遂行能力に支障をきたしかねないという懸念がロシア人の間で大きくなった。概して多くの人々が戦争ができるだけ早く終わるよう望んでいる」と話した。
ロシア国内で平和交渉支持世論は戦争が自国に及ぼす影響や戦況により上下した。昨年9月にロシアの部分動員令発表直後に最高潮に達したほか、先月ロシア側がウクライナの激戦地バフムトで戦果を上げると多少下がったりもした。ロシアはウクライナが平和交渉に出ないと非難するが、ウクライナはロシア軍が自国領土を離れるまでロシアとの対話は考慮しないという立場だ。
◇プーチン支持率80%維持…市民らと自撮りまで
終戦世論は高まったが、80%前後であるプーチン大統領の支持率は武装反乱後も大きな変化がないと明らかになった。レバダセンターの今回の調査でプーチン大統領の支持率は81%で1カ月前より1ポイント下がるのにとどまった。
これに対し今回の反乱を主導したプリゴジン氏の反乱直後の支持率は29%で1週間前の60%と比較して急落したとロシア独立メディアのメドゥーザが報道した。
フィナンシャル・タイムズは専門家の話として「プーチン大統領の平和的な解決策とロシア国民の団結が内戦を防ぎ、プリゴジン氏は国の安定を脅かした」というロシア大統領府のメッセージがロシア国内で急速に広がっていると伝えた。
プーチン大統領は異例の市民らとの直接接触に出て健在を誇示した。彼は反乱後の28日にロシア南西部ダゲスタン共和国デルベントを訪れ、自身を囲む市民らの撮影に応じ、ある少女の額にはキスをしたりもした。プーチン大統領はこれまで新型コロナウイルス感染予防などのため閉鎖的な歩みを見せていた。
同紙はこれに対し「武装反乱で権威が揺らいだプーチン大統領は、自身が依然として大衆の支持を受けているということを見せたかった」と解釈した。
◇「プーチン氏の統制力に疑問」…CIA長官「ロシア情報源募集の機会」
このようにプーチン大統領は反乱の後始末に全力を挙げているが、核心権力層内部の分裂は深まっていると分析される。ブルームバーグによると、ロシア政府はプリゴジン氏が起こした反乱にかかわったと推定される高官を見つけ出そうとしており、同時にプリゴジン氏と対立したショイグ国防相など軍首脳部に反対する動きも起きている。
ロシア大統領府の内部事情をよく知る政治分析家のセルゲイ・マルコフ氏は「大規模調査が始まり、プリゴジン氏やワグネルグループと接触したすべての将軍と将校が尋問を受けることになるだろう」と話した。また別の消息筋は「ショイグ国防相の側近を狙った広範囲な調査が進行中」と伝えた。
ブルームバーグによると、今回の反乱でショイグ国防相らプーチン大統領側近の立場が弱まり、最高権力層内の混乱が続き、政財界エリートの間ではプーチン大統領の統制力に対する疑問が大きくなっているというのが消息筋の説明だ。
ケナン研究所のオクサナ・アントネンコ研究員は「最も可能性が高いシナリオはプーチン氏に対する直接的な挑戦でなくプーチン氏の統治体系が持続的に崩れ落ちるもの」と予想する。
米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は1日、「戦争に対する不満はロシアのリーダーシップをむしばみ続けるだろう。ウクライナ戦争でロシア情報源を募集する絶好の機会ができた」と話した。バーンズ長官は先月ウクライナの首都キーウを非公開で訪問し、ウクライナのゼレンスキー大統領らと会い米国の支持の立場を再確認したとCNNなどが伝えた。
一方、プーチン大統領は30日にインドのモディ首相との電話会談でウクライナ戦争事態を議論したとロイター通信が報道した。報道によると、ロシア大統領府は声明でモディ首相が今回の武装反乱に対するロシア指導部の断固とした措置に支持を表明したと明らかにした。また、インド政府は声明を通じ「モディ首相が(プーチン大統領と)ウクライナの状況を議論し対話と外交を繰り返し強調した」と伝えた。
◇反乱後に終戦世論高まる
ブルームバーグとニューズウイークなどが先月30日に伝えたところによると、ロシアの独立世論調査機関レバダセンターはロシア全域の成人1634人を対象に世論調査を実施した。調査期間は22~28日で、ワグネル創設者プリゴジン氏が武装反乱を起こした23日とタイミングが重なる。
この調査でウクライナとの平和交渉を支持するという回答率は1カ月前の45%から8ポイント上昇の53%を記録した。これに対し戦争持続に賛成する回答は39%で1カ月前の48%から9ポイント下落した。
レバダセンターのデニス・ボルコフ局長はブルームバーグに「今回の反乱でウクライナの戦場にいるロシア軍の作戦遂行能力に支障をきたしかねないという懸念がロシア人の間で大きくなった。概して多くの人々が戦争ができるだけ早く終わるよう望んでいる」と話した。
ロシア国内で平和交渉支持世論は戦争が自国に及ぼす影響や戦況により上下した。昨年9月にロシアの部分動員令発表直後に最高潮に達したほか、先月ロシア側がウクライナの激戦地バフムトで戦果を上げると多少下がったりもした。ロシアはウクライナが平和交渉に出ないと非難するが、ウクライナはロシア軍が自国領土を離れるまでロシアとの対話は考慮しないという立場だ。
◇プーチン支持率80%維持…市民らと自撮りまで
終戦世論は高まったが、80%前後であるプーチン大統領の支持率は武装反乱後も大きな変化がないと明らかになった。レバダセンターの今回の調査でプーチン大統領の支持率は81%で1カ月前より1ポイント下がるのにとどまった。
これに対し今回の反乱を主導したプリゴジン氏の反乱直後の支持率は29%で1週間前の60%と比較して急落したとロシア独立メディアのメドゥーザが報道した。
フィナンシャル・タイムズは専門家の話として「プーチン大統領の平和的な解決策とロシア国民の団結が内戦を防ぎ、プリゴジン氏は国の安定を脅かした」というロシア大統領府のメッセージがロシア国内で急速に広がっていると伝えた。
プーチン大統領は異例の市民らとの直接接触に出て健在を誇示した。彼は反乱後の28日にロシア南西部ダゲスタン共和国デルベントを訪れ、自身を囲む市民らの撮影に応じ、ある少女の額にはキスをしたりもした。プーチン大統領はこれまで新型コロナウイルス感染予防などのため閉鎖的な歩みを見せていた。
同紙はこれに対し「武装反乱で権威が揺らいだプーチン大統領は、自身が依然として大衆の支持を受けているということを見せたかった」と解釈した。
◇「プーチン氏の統制力に疑問」…CIA長官「ロシア情報源募集の機会」
このようにプーチン大統領は反乱の後始末に全力を挙げているが、核心権力層内部の分裂は深まっていると分析される。ブルームバーグによると、ロシア政府はプリゴジン氏が起こした反乱にかかわったと推定される高官を見つけ出そうとしており、同時にプリゴジン氏と対立したショイグ国防相など軍首脳部に反対する動きも起きている。
ロシア大統領府の内部事情をよく知る政治分析家のセルゲイ・マルコフ氏は「大規模調査が始まり、プリゴジン氏やワグネルグループと接触したすべての将軍と将校が尋問を受けることになるだろう」と話した。また別の消息筋は「ショイグ国防相の側近を狙った広範囲な調査が進行中」と伝えた。
ブルームバーグによると、今回の反乱でショイグ国防相らプーチン大統領側近の立場が弱まり、最高権力層内の混乱が続き、政財界エリートの間ではプーチン大統領の統制力に対する疑問が大きくなっているというのが消息筋の説明だ。
ケナン研究所のオクサナ・アントネンコ研究員は「最も可能性が高いシナリオはプーチン氏に対する直接的な挑戦でなくプーチン氏の統治体系が持続的に崩れ落ちるもの」と予想する。
米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は1日、「戦争に対する不満はロシアのリーダーシップをむしばみ続けるだろう。ウクライナ戦争でロシア情報源を募集する絶好の機会ができた」と話した。バーンズ長官は先月ウクライナの首都キーウを非公開で訪問し、ウクライナのゼレンスキー大統領らと会い米国の支持の立場を再確認したとCNNなどが伝えた。
一方、プーチン大統領は30日にインドのモディ首相との電話会談でウクライナ戦争事態を議論したとロイター通信が報道した。報道によると、ロシア大統領府は声明でモディ首相が今回の武装反乱に対するロシア指導部の断固とした措置に支持を表明したと明らかにした。また、インド政府は声明を通じ「モディ首相が(プーチン大統領と)ウクライナの状況を議論し対話と外交を繰り返し強調した」と伝えた。
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