韓国原子力学会が２０日、「科学的分析によると福島原発で処理された汚染水の放出は韓国国民の健康と韓国の海洋環境に影響を及ぼすことはない」と結論付けた。

原子力学会はこの日、立場文を出し「福島原発事故発生後から事故の原因を分析し放射性汚染水管理を含む事故原発廃炉作業の進展状況を検討してきた。実証的資料と多様な科学的分析によると、福島原発で処理された汚染水が放出されても韓国国民は安心して食生活を営むことができる」と強調した。

これに対する根拠としては、まず「２０１１年の福島事故進行過程で多量の高濃度放射性汚染水が太平洋に放出されたが、海流の方向と太平洋による希釈効果でこの１２年間に韓国海域で『意味ある放射能増加』が観測されなかった点」を挙げた。


原子力学会は「放流予定の汚染水に含まれた放射性物質の総量は事故直後に太平洋に放出された放射性物質よりはるかに少ない量であるだけに韓国海域に直接的な影響を及ぼす可能性はない」と釘を刺した。

ＡＬＰＳで選り分けられず議論を呼んだ三重水素の処理問題と関連しても「汚染水に含まれた三重水素の総量は約２．２グラム水準（２０２１年４月基準）で、日本側の計画に基づく年間排出量は０．０６２グラム水準。年間に自然に生成される三重水素の量である２００グラムや、東海（日本海）に雨として降る量である３グラムに比べ極めて少ない」と話した。

原子力学会は「感情的、道徳的、経済的、または国際政治的観点から汚染水放流に反対することはできるだろう」としながらも「政治的目的や個人的影響力誇示のために科学的事実を公開的にねじ曲げて過度な恐怖を助長するのは韓国の水産業界と関連飲食業界の被害を自ら加重する自害行為になるだろう」と懸念を示した。

続けて「学会は汚染水問題と国民の不安を解消し、水産業界の被害を予防するために積極的に活動する計画。学会の科学的判断と大きく異なった主張に対しては公開討論を提案する」と付け加えた。