１９９０年代生まれの億万長者が出てきた。日本からだ。主人公は佐上峻作氏。彼の総資産は２日基準約１０００億円。米経済専門誌フォーブスは１日、彼を「日本で最も新しい億万長者」としてスポットを当てた。

裕福な家庭に生まれたわけではない。大阪で生まれた彼は近くの名門神戸大学を卒業した。自分で設立した企業を上場させ、その株式７３％を持っているが、その株価が上昇し続け１日付で１０００億円を超えた。佐上氏が設立した企業はＭ＆Ａ総合研究所。専門分野は企業買収合併（Ｍ＆Ａ）だ。

彼のＭ＆Ａは１９９１年生まれらしく特別な面があるが、人工知能（ＡＩ）基盤のアルゴリズムを活用して企業間のマッチングデータを導出し、それを土台にＭ＆Ａをしていくという点だ。フォーブスによると彼の会社が２０２２年１０－１２月期に進めたＭ＆Ａは４２６件に達した。


彼は最近日本の経済専門メディアであるダイヤモンドオンラインとのインタビューで「父は警察官、母は専業主婦ですが元々は幼稚園の先生で、時々ピアノを教えていました」と平凡な家庭出身だと打ち明けた。幼いころの夢は経営者だったが、中小企業を経営した祖父の影響を受けたという。

彼は、祖父に企業家とはリスクを甘受して何かを創り出す人々だと言われたという。彼の両親は彼の名前を付ける際に「厳しく険しい山も登り、何かを創作する」という意味を込めたという。

最初からＭ＆Ａに素質を発見してはいないという。彼は大学卒業後、広告業とファッション関連メディア業界に飛び込みアルパカという名前の企業を２０１５年に設立した。２４歳で初めて創業したわけだ。この企業は健闘し、日本有数の広報・メディア関係企業のベクターが買収した。佐上氏に転機が訪れたのはその後だった。彼はＭ＆Ａ過程が相当部分非効率的だと感じた。そのうち祖父が運営する小さな企業を引き継ぐ人がおらず、Ｍ＆Ａもできずに廃業することになった点は彼にＭ＆Ａの重要性を気付かせた。フォーブスは「日本の企業のうち約９９％が中小企業だが、まともにＭ＆Ａができずに枯死するケースが多い。佐上氏はまさにこの点に食い込んだ」と伝えた。

佐上氏はこうして２０１８年にＭ＆Ａ専門企業を東京に設立し、その予感は的中した。Ｍ＆Ａを通じて跳躍を夢見た中小企業は先を争って彼を訪ねてきた。成長が続き彼は自身の会社を上場させ、その株式の７３％を保有して億万長者になった。

億万長者は彼に新たな始まりだ。フォーブスによると彼の現在の最高関心事はＭ＆Ａを超えて資産運用という。フォーブスは「（Ｍ＆Ａを通じて）突然大きな収益を創出した後がかえって重要で、資産を正しく増やすことが現在の佐上氏の関心事であり企業経営方向」と伝えた。