1日に京畿道楊州市の三票産業の骨材採取場の土砂崩壊事故現場で消防隊員が金属探知器を活用して失踪者捜索作業をしている。[写真 消防庁]
2日に新型コロナウイルスの新規感染者数が2万人を超えると、企業はひとまず社内での拡散防止に必死だ。サムスン、現代自動車、SK、LGなど主要企業は在宅勤務の割合拡大、会議・出張の自粛などを通じて防疫レベルを高めている。サムスン電子はパニック状態になった。主要事業所がある京畿道(キョンギド)の水原(スウォン)、竜仁(ヨンイン)、華城(ファソン)、平沢(ピョンテク)の感染者数が他の地域と比べ明確な増加傾向を見せているためだ。サムスン電子関係者は「特に平沢の半導体工場の工事現場の状況に神経を尖らせている」と話す。実際に先月中旬までサムスン電子半導体(DS)部門の新型コロナウイルス感染者数は1日2~5人にすぎなかったが、最近では30~40人に増えた。現代自動車のソウル・良才洞(ヤンジェドン)本社の場合、関係者以外の出入りを制限するだけでなく、役員社員のフロア間移動も控えさせた。大宇造船海洋はソウルと慶尚南道(キョンサンナムド)の巨済(コジェ)と玉浦(オクポ)の造船所間の交差出張を控えることを勧告した。
重大災害処罰法施行から2日ぶりに発生した死亡事故も企業を緊張させている。雇用労働部などによると、先月29日に京畿道楊州(ヤンジュ)にある三票産業の採石場で土砂崩れが起き作業員3人が生き埋めとなった。このうち2人は死亡しているのが見つかり、1人は依然として捜索中だ。産業界は政府の後続措置に関心を注いでいる。
常勤労働者が900人を超える三票産業は重大災害処罰法適用対象の上に死亡事故発生で調査・処罰が避けられない見通しだ。ソウルのある中小建設会社代表は「いくら備えるといってもいつどのように事故が起きるかわからない状況。法適用事例を見守って追加対策を立てる計画」と話した。
他の企業の動きもあわただしくなった。サムスン電子はこれまで事業所内勧告事項だった「5大安全規定」を全役員社員と訪問客に義務づけている。規定には歩行中の携帯電話使用と違反横断禁止、運転時の社内制限速度順守、自転車利用時のヘルメット着用などの内容が含まれている。
災害発生の可能性が高い現場にはロボットと自動化設備を導入している。ポスコ光陽(クァンヤン)製鉄所では設備内の異物を見つけて除去する業務に人工知能ロボットを投入している。CJ大韓通運は京畿道軍浦(クンポ)の物流センターにロボットを導入し、商品包装と分類を自動化した。
急騰する原材料価格も企業の肩を重くさせている。先月31日の3月物ブレント原油価格は前営業日より1.31%上がった91.21ドルで取引され、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)価格も1.53%上がった88.15ドルを記録した。いずれも2014年10月以降で最高値だ。鉱物価格も上昇している。鉄鉱石価格は昨年12月の1トン当たり114.26ドルから先月は128.6ドルに上がった。
大韓商工会議所のチョン・インシク産業政策チーム長は「新型コロナウイルスのパンデミックと米中覇権競争が重なり、世界的なサプライチェーン不安は当分続くほかない。政府が企業と協力してサプライチェーンのモニタリング体系を構築し、需給先多角化などに投資すべき」と強調した。
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