「ダイアモンド・プリンセス」とほぼ同じ時期にカンボジアに入港したクルーズ船「ウエステルダム」。※本記事とは直接関係はありません
日本メディアによると、4月29日に横浜港を出港した大型クルーズ船「飛鳥II号」で60代の男性乗客1人が陽性判定を受けた。これに伴い、飛鳥IIは直ちに旅程をストップして1日に横浜に回航し、感染者と濃厚接触者1人を除いた残り乗客は全員下船して帰宅した。
報道によると、飛鳥II号には乗客295人、乗務員425人が搭乗していた。GWを迎えて4月29日に横浜港を出発して青森県と北海道を回って5日に再び横浜に帰ってくる予定だった。
乗客乗員は出港1週間前に受けた検査で全員陰性判定を受け、さらに出港当日に再検査を実施していたことが分かった。だが、検査結果が出る前に船が出港し、結局1人が陽性判定を受けたことで回航することになった。
日本では新型コロナ第4波で先月25日から東京都や大阪府、京都府、兵庫県など4都府県に3回目の緊急事態が宣言された状況だ。緊急事態が宣言された中で、クルーズ船が出港を強行し、当日検査結果が出る前に出発して危険な状況を自ら招いたことなどに対して批判が出ている。
日本では新型コロナ発生初期、クルーズ船内の集団感染で大きな混乱を経験したことがある。昨年2月、横浜に入港した大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で船内感染が発生して712人の感染者が、13人の死亡者が出た。
◆緊急事態にも空港利用客7.5倍増加
緊急事態が宣言されて1週間が過ぎたが、日本の新型コロナ拡大は鎮まる兆しは見られない。1日、全国の新型コロナ新規感染者は5986人で、3月22日の2回目の緊急事態宣言が全面解除された後で最多となった。この日一日で大阪府1262人、東京都1050人、兵庫県539人、京都府158人の感染者が発生し、緊急事態発令前よりも感染者数が増えた。
TBS放送によると、1日東京など大都市の流動人口は前週土曜日と比較して40~50%ほど減少したことが分かった。だが、他の地域に旅行する人々が増えて羽田空港利用客数は昨年同期に比べて7.5倍増加した。
緊急事態宣言は今月11日まで予定されているが、現在の拡大傾向のままなら、延長は避けられないとの指摘が相次いでいる。東京医科大学の濱田篤郎特任教授は2日、朝日新聞に「連休中にステイホームする人が増え、ある程度は感染者は減るかもしれないが、11日の期限までに流行が収まるとは思えない」と明らかにした。
国際医療福祉大学の松本哲哉教授も毎日新聞に「期限通りに解除すれば、解除のメッセージだけが大きく伝わり、感染者数が爆発的に増える」とし「宣言は延長するしかないだろう」と話した。
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