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【コラム】実現の可能性が薄れる朝米首脳会談

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
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エバラードコラム

トランプ米大統領は19日、来月18日に中国深圳で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて推進していた金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との首脳会談について一歩後退した。トランプ大統領が慎重な姿勢を示すのには十分な根拠がある。金正恩氏が朝米首脳会談を望む理由よりも望まない理由の方が大きいからだ。実際、米当局者らは首脳会談に関して北朝鮮から回答がないと伝えている。

2005年に北朝鮮非核化に向けた「9・19共同声明」に熱狂的な歓声が上がったことを振り返ると苦々しい。9・19共同声明は、北朝鮮が国際社会の正常な一員となることができた、最後の真摯かつ実質的な合意だった。2012年の「2・29合意」は発効してからすぐに破棄され、トランプ政権1期目に金委員長が行った首脳会談も2005年の合意の深みや具体性を備えていなかった。


2005年の共同声明は、北朝鮮の非核化の見返りとして安全の保証、経済・エネルギー支援、そして対米関係正常化を提示した。しかしそれは21年も前のことだ。北朝鮮は当時の交渉テーブルに載せられていた提案をもはや必要としておらず、望んでもいない可能性が高い。北朝鮮の安全保障環境は当時よりもはるかに改善している。ロシアとの正式な同盟で安全保障を支えられているうえ、北朝鮮軍は当時よりもはるかに優れた装備を備え、最近ではウクライナ戦争で実戦経験まで積んだ。また、ロシアから資源を調達することで、北朝鮮経済は2005年当時の逼迫した状態から抜け出し、エネルギー需要も中国とロシアからの石油供給によって満たされているようだ。さらに北朝鮮が米国との関係正常化を望んでいる兆候もない。新型コロナのパンデミック以降、西欧諸国の大半の平壌(ピョンヤン)駐在大使館再開を阻んできた北朝鮮が、平壌に米国大使館が設置されることを歓迎するはずもない。


トランプ大統領が2005年に議論されなかった内容として提示できるカードは2つある。1つは、北朝鮮に対するCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)の要求を取り下げるという約束だ。これは事実上、インドやパキスタンのように非公式な核保有国としての地位に北朝鮮がひそかに移行することを認めるに等しい。金与正(キム・ヨジョン)労働党部長が昨年4月8日、「私たちには誰かによる否定や承認など関心ない」と述べたが、それは本心だった可能性が高い。時間が経つほど北朝鮮が核開発計画について黙認を得る可能性は高まる。トランプ大統領自身も昨年10月24日、「北朝鮮は一種の核保有国だと考える」と述べた。

もう1つのカードは大規模な経済投資だ。しかし外部との多くの接触を伴うしかない事業を北朝鮮が歓迎する可能性は低い。

したがって米国が使えるカードは少なく、金正恩氏にとって首脳会談の魅力は限られている。一方、トランプ大統領との首脳会談に合意することには金正恩氏にリスクが伴う。側近らの反対を押し切ってトランプ大統領との対話を進めた金正恩氏はハノイで屈辱を味わった。今回も成果なく「ノーディール」に終われば、平壌の既得権益層の間で、金正恩氏の指導力と判断力に致命的な疑問が提起されるだろう。

これ以上に重要なのは国際的なリスクだ。2005年当時とは異なり、現在、北朝鮮が新たに重視しているのはロシアと中国だ。最近の金正恩氏による丹東訪問にもそれはよく表れている。しかし外交政策の最優先事項として中国とロシアとの関係を円滑に維持する必要性が、逆説的に北朝鮮の意思決定を制約する。

中国はAPECの雰囲気を盛り上げる首脳会談を原則として支持しているものの、自国の経済的地位を脅かす大規模な対北朝鮮投資や、平壌への米国大使館設置には反対するだろう。ロシアのプーチン大統領はアラスカ合意が不成立に終わった後、トランプ大統領に対する深い不信感と裏切られたという思いを抱いている。朝米関係の改善はウクライナ戦争に不可欠な北朝鮮からの支援縮小につながる可能性がある。プーチン大統領個人としてもトランプ氏に首脳会談という満足感を安易に与えようとはしないだろう。

したがって残念ながら、トランプ氏と金正恩氏の首脳会談が実現する見通しは現時点では極めて低い。2005年のことが今では遠い昔のことのように感じられる。

ジョン・エバラード/元平壌駐在英国大使

◇外部執筆者のコラムは中央日報の編集方針と異なる場合があります。



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