11日にソウルのCOEXで開かれた「インターバッテリー2026」で観覧客がサムスンSDIの全固体電池を見ている。[写真 聯合ニュース]
バッテリー業界によると、韓国バッテリー3社はいずれも全固体電池の商用化を進めているが、力の入れ方は異なる。スピードを出しているのは2027年下半期の量産を目標とするサムスンSDIだ。6日にはバッテリー素材企業のエコプロBMと全固体用正極材、固体電解質の共同開発協約も結んだ。サムスンSDI関係者は「すでに顧客に試作品を供給し性能を検証している。現在協議中の顧客需要に変動はない」と話した。
だが来年に大規模量産に入るのではない。まずバッテリー使用が少ないヒューマノイドロボットや、高いバッテリー価格に耐えられる超高級プレミアム電気自動車が1次ターゲットだ。しかし少量のロボットと電気自動車バッテリー納品だけで意味ある収益が出るかは未知数だ。業界ではサムスンSDIが韓国で最も長く全固体開発を続けてきただけに、中国さえも掌握できない新市場を先取りしようとする狙いがあるとみている。
これに対しLGエナジーソリューションとSKオンは長期的な計画だ。LGエナジーソリューションは電気自動車用全固体電池を2029年初め、ヒューマノイド用を2030年の量産目標としている。同社関係者は「全固体が市場を一気に代える『ゲームチェンジャー』というよりは、市場を拡張させる『マーケットエクステンダー』程度と判断している」と話す。同社が昨年まとめた報告書で、全固体を未来技術と紹介しゲームチェンジャーと強調したのと比較すると慎重姿勢だ。SKオンもやはり昨年全固体パイロット生産ラインを竣工し、開発を継続しながらも、商用化時期は2029年以降を考慮している。
最近の電気自動車市場は、性能が低くても、値段が安い中国製リン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーが主流に位置する。全固体が高価格で避けられかねないとの懸念が出ている背景だ。大徳(テドク)大学未来自動車科のイ・ホグン教授は「全固体の価格に耐えられる車が何台あるかが問題だ。産業の問題でアプローチすべきだが、短期間では容易でない」と話した。
固体素材同士が密着しなかったり、充電・放電過程での亀裂、歩留まりなど、技術的障壁も乗り越えなくてはならない。業界関係者は「実験室で作るのと工場での大量生産は全く違う問題」と話す。
中国でも懐疑論が出ている。世界1位のバッテリー企業CATLの倪軍最高製造責任者(CMO)は先月、「全固体電池の短期間での商用化の可能性はとても低い。大規模商用化は最小5年以上かかるだろう」と話した。CATLやBYDなど中国バッテリー企業も本格商用化時期を2030年ごろとみている。
それでも専門家らは全固体電池を韓国が旗振り役になるべき市場だと強調する。瑞靖(ソジョン)大学スマートモビリティ学部のパク・チョルワン教授は「10年以上全固体を叫んできたが、もう製品で技術を立証すべき時」と話した。延世(ヨンセ)大学化工生命工学科のイ・サンヨン教授は「中国が全固体標準を作って市場を占有する前に韓国が先に基準を作って市場を先取りしなければならない」と述べた。中国の「半額バッテリー」の物量攻勢から技術力を前面に出した「高級化」戦略で、結局全固体市場で突破口を見つけなければならないという話だ。
大林(テリム)大学未来自動車学部の金必洙(キム・ピルス)碩座教授は「大量生産は難しいが全固体技術の方向性は正しい。価格競争が厳しい韓国製バッテリーは結局高付加価値製品で勝負するほかない」と指摘した。
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