米ニューヨーク証券取引所のトレーディングフロア。[写真 聯合ニュース]
米財務省はこの日、長期国債の流動性を高めるため買い戻し規模を1回当たり20億ドルから最小40億ドルに拡大すると明らかにした。対象は10~20年物と20~30年物で、9月9日から11月4日まで適用する。
国債買い戻しは財務省が市場で取引される国債を買い入れる制度だ。特定満期の国債を買い戻すことで流動性を高め市場機能を円滑にする目的がある。
◇19年ぶり高水準の30年物利回り急落
財務省の発表直後、30年物国債利回りは一時0.09%下落して5.2%前後まで下がった。
米30年物国債利回りは前日5.3%台に上がり2007年から19年ぶりの高水準を記録した。直後に財務省が買い戻し拡大を発表し、市場では長期金利急騰に対応する措置との解釈が出ている。
ナティクシスのジョン・ブリッグス氏は「金利が過度に上昇すれば財務省がこれに対応しようとするもので、もうどこが苦痛を感じる地点なのかもわかるようになった」と評価した。
◇財政赤字とインフレ懸念…「金利上昇要因は変わらず」
ただ買い戻し拡大が長期金利上昇傾向を抑えるのは難しいという見通しも出ている。ウォール・ストリート・ジャーナルは世界的な債券売却傾向が近く終わると予想するウォール街関係者は多くないと伝えた。
市場では米国とイランの衝突にともなうインフレ懸念と米国の大規模財政赤字が長期金利を引き上げる要因に挙げている。新任米連邦準備制度理事会(FRB)議長の通貨政策をめぐる不確実性も金利上昇圧力を育てている。
人工知能(AI)投資拡大に出たビッグテックが大規模社債を発行するのも債券供給を増やし国債利回りに影響を及ぼす要因だ。
米国の財政環境も負担だ。民間が保有する米連邦政府債務は年間国内総生産に匹敵する水準まで増えた。負債規模が大きくなった状況で高金利が長期間続く場合、政府の利子負担も大きくなるほかない。
一部では2008~2009年の世界的金融危機から続く超低金利時代が終わり、長期金利が構造的に高い水準を維持する局面に入ったという分析も出ている。PGIMのロバート・ティップ氏は現在の状況を「基本的に正常化」と評価した。
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