トランプ米大統領は13日に自身のSNSに2018年6月12日に北朝鮮の金正恩国務委員長とシンガポールで行った朝米首脳会談の写真を投稿した。[SNS キャプチャー]
トランプ大統領は昨年10月のアジア歴訪時も数回金委員長に会いたいとの意向を明らかにしたが北朝鮮は反応しなかった。今回も朝米対話のボールは金委員長に移った様相だ。主要な契機ごとに米国との長期戦を公言しながらもトランプ大統領との対話の可能性を残した金委員長の計算も複雑になるほかはない。
◇縮小する朝米対話の緊急性
トランプ大統領は韓米合同演習縮小を朝米対話再開のカードとして再び持ち出した。金委員長が敏感に反応してきた事案をテコとして対話の動力を作ろうとするものとみられる。金委員長はストックホルムでの朝米実務交渉を控えた2019年8月にトランプ大統領に送った親書で「強く中断を要請した戦争練習をしている。本当に気分を害し、これを閣下に隠したくない」と書いたりもした。
ただ対北朝鮮制裁解除や体制保障問題は北朝鮮の立場で第1次トランプ政権当時より切迫さが減った。北朝鮮はロシア派兵を契機にロシアと密着して制裁を迂回しながら先端軍事技術と統治資金、食料などを確保している。外交的孤立からも抜け出し、「朝中ロ三角連帯」の核心軸であることを誇示している。
韓国統一研究院の呉庚燮(オ・ギョンソプ)先任研究委員は「北朝鮮が中ロとの密着を通じて軍事的・経済的弱点を補完している。全方向制裁で圧力を受けた第1次トランプ政権当時より米国と関係改善に出るべき切迫さが減った」と話した。
◇変わらないトランプ大統領の予測不可能性
トランプ大統領特有の予測不可能性も金委員長の警戒心を高める要因だ。トランプ大統領は政治的・外交的に守勢に追い込まれた時に軍事的圧力を前面に出し相手の譲歩を引き出す交渉戦略を駆使してきた。イランと核交渉を進めながらも奇襲的な軍事行動に出た点は金委員長にも少なくない負担となりそうだ。ハノイでの首脳会談当時と違い、米国との交渉がこじれる場合、即時的軍事圧力につながりかねないという判断ができるからだ。
中間選挙を控えイラン戦争長期化にともなう高物価でトランプ大統領の支持率が下落している点も変数だ。慶南(キョンナム)大学極東問題研究所の林乙出(イム・ウルチュル)教授は「トランプ大統領が置かれた状況と個人的性向が不信を育てる側面がある。金委員長もやはり対話提案が政治的危機を免れるための単発ショーである可能性を念頭に置くだろう」と話した。
2019年のハノイでの交渉決裂の記憶も負担だ。最高指導者の外交的失敗が印象づけられただけに同じリスクを再び甘受するわけにはいかないということだ。林教授は「完ぺきで威嚇的な核・ミサイル戦力を手にしてこそ米国からより高い見返りを受け取れると計算するだろう。内部的に『また米国に無駄な期待を抱いている』というメッセージを与えかねない点も負担」と指摘した。
ただ金委員長が電撃的にトランプ大統領との会談を選択する可能性も排除することはできない。トランプ大統領との関係性を活用して米国の圧力を管理し、自身の価値を高めることができるためだ。それでも当面は核武力強化と朝中ロ連帯に注力しながら交渉力を最大限引き上げた後で米国との対話に出る可能性が大きいという見方が強い。
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