Kエスカレーター職員が製品を組み立てている。エスカレーターは建物の高さや設置位置により形が異なるためすべての製品が個別に製作される。 [写真 Kエスカレーター]
韓国産エスカレーターの消滅と復活は、K製造業が直面している構造的な変化を凝縮して表している。韓国の対中貿易収支は2018年に556億ドルの黒字を記録した後、急速に減少した。2023年に180億ドルの赤字で31年ぶりの赤字転換となり、2025年まで3年連続で赤字が続いた。今年は半導体の輸出で黒字転換する可能性が高いが、残りの主要製造業分野では苦戦を免れない。
専門家らは中国に劣勢となったK製造業の復活のため中国の弱点を見つけて攻略するべきだと指摘している。防犯カメラ(CCTV)などの映像セキュリティー市場が代表的な例だ。防犯カメラ市場は中国企業が掌握してきたが、防犯カメラがネットワークに接続される機器に変わったことでサプライチェーンの信頼性が重要になった。米国政府は2019年から中国製の防犯カメラを排除し、韓国のハンファビジョンにチャンスが巡ってきた。核心部品の生産技術や米国現地の営業・サービス網まで備えていたからだ。市場調査機関オムディアによると、ハンファビジョンはグローバル市場ではシェア3.9%(5位)だが、米州市場ではその倍の7.8%(3位)にのぼる。
中国に対する米国の規制や関税の壁が高まる中、現地に生産基盤を構築することでチャンスをつかんだK製造業もある。米国が中国を牽制し、風力発電タワーに反ダンピング(不当廉売)関税を適用した際、韓国企業シーエスウインドは2021年に米国の工場を買収し、現地製造企業の地位を獲得した。また、米国の中国製電力機器に対する規制が強化されたことで、米国に生産施設を保有するヒョソン重工業やHD現代エレクトリックなどK電力機器企業も有利な状況を迎えた。
◆高付加産業への再編を急ぐべき
中国企業が米国や欧州などで規制を受けている間、韓国は高付加価値を中心に産業構造を転換するべきという指摘も出ている。これに先立ち韓国国内のディスプレー企業は中国製の低価格液晶ディスプレー(LCD)に市場を奪われて危機を迎えたが、サムスンディスプレイやLGディスプレイなどが高難度の技術を要する有機EL(OLED)に集中したことで復活を遂げた。化学繊維業界でも1990年代に中国製の低価格製品に押されたが、ヒョソンが汎用製品の代わりに高機能性の「スパンデックス」に技術と生産力を集中させ、グローバル1位に浮上した。
中央大のイ・グン経済学部教授は「西側国家の中国牽制で韓国が代替供給国となる機会が生じた」とし「中国に奪われた産業であっても産業の内部で競争力を維持できる高付加分野を探して移動するのがよい」と指摘した。
安価な中国製に押されて倒産した韓国エスカレーター、10年後に意外な復活(1)
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