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【コラム】中南米の「ブルータイド」、トランプ効果ではない(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

15日に就任したペルーのケイコ・フジモリ大統領が支持者の歓呼に応えている。[ロイター=聯合ニュース]

先月末に行われたペルー大統領選では保守右派のケイコ・フジモリ候補(51)が4度目の挑戦の末に勝利した。彼女は、1990年から2000年まで大統領を務めた後、人権侵害と汚職の罪で16年間服役した故アルベルト・フジモリ元大統領の娘だ。しかし世界の注目は昨年から中南米を席巻している「ブルータイド(右派政権の台頭)」がピークに達するかどうかに集まっていた。今年実施された南米各国の大統領選ではボリビア、コスタリカ、チリ、コロンビアなどで右派政権が相次いで誕生した。また昨年は南米第3位の経済規模を持つアルゼンチンをはじめ、パラグアイ、エクアドル、ホンジュラスでも大統領選で保守右派勢力が勝利した。もう中南米で左派政府の命脈を維持しているのはブラジルとメキシコ、南米の北欧と呼ばれるウルグアイほどだけだ。

トランプ政権2期目は昨年発表した国家安全保障戦略で、中南米を単なる米国の「裏庭」でなく「戦略空間(strategic space)」として再定義する西半球戦略を打ち出した。トランプ大統領は関税を武器に中南米の左派政権を牽制すると同時に、親米・強硬右派の指導者に対する露骨な支持を示した。それでは中南米の「ブルータイド」はトランプ大統領の勝利と言えるのだろうか。


◆残りの「ピンクタイド」はブラジル・メキシコ


専門家らは、トランプ大統領の介入は「ブルータイド」を促進する変数になることはあっても、核心要因は左派政府の失敗だと分析する。2000年代に入って中南米を席巻した「ピンクタイド(左派政権の波)」は、米国型の新自由主義改革に対する反動だった。「ピンクタイド」は市場よりも国家の役割を重視し、経済成長よりも所得分配、効率性よりも社会的公平性を優先する政策を掲げた。中国の工業化による原材料需要の拡大で石油、銅、鉄鉱石、大豆など中南米の主要輸出品の価格が上昇し、各国政府はそれを財源として福祉の拡充を積極的に進めた。一言でいうと「ピンクタイド」は「分配型国家体制」だった。

しかし国際的な資源価格が下落すると、状況は180度変わった。各国の財政収入が減少する中、福祉拡大政策はブーメランのように返ってきた。各国は福祉拡大に莫大な財政支出を投じた結果、好景気を生かした産業育成を十分に進めることができなかった。さらに左派政権の長期化を受け、汚職、行政の非効率、公共部門の肥大化といった弊害も表面化した。中南米諸国は程度の差こそあれ慢性的な財政危機やハイパーインフレーションにさらされ、組織犯罪や麻薬カルテル、不法移民を十分に統制できない状況に陥った。外交安保研究院のハ・サンソプ教授は「ピンクタイドの限界は、国家の役割は拡大したものの、国家の能力そのものを強化することができなかった点にある」とし「今回のブルータイドは、『分配国家』からいわゆる『能力国家(Capable State)』への転換だ」と分析した。

◆核心サプライチェーン参加を通じた経済発展追求

実際、右派政党は昨年と今年の大統領選で財政健全化と市場改革(アルゼンチン)、治安回復と強い国家(エルサルバドル)、組織犯罪への対応(エクアドル)、民主的安全保障(コロンビア)などを公約に掲げ、政権獲得に成功した。今回のペルー大統領選でもフジモリ候補はエルサルバドル型の大規模刑務所の運営をはじめとする強力な治安対策、民間投資の促進、官僚主義の縮小などを公約として打ち出した。一方、0.27ポイント差で敗れた与党左派のロベルト・サンチェス候補は、富の公正な再分配を実現するための憲法改正、経済における国家の役割の拡大、社会保障支出の増加など、典型的な左派政策を強調した。

米中戦略競争の時代はサプライチェーン確保をめぐる経済安全保障の時代でもある。資源大国である中南米諸国には再び大きな機会が訪れたと言える。ブラジルの鉄鉱石や農産物、チリとペルーの銅、アルゼンチン・ボリビア・チリのリチウムなど、中南米諸国は重要なサプライチェーンを支える国々だ。さらに、パナマ運河やペルーのチャンカイ港はサプライチェーンを支える物流ハブとして重要な役割を担っている。しかし過去の失敗を経験した国民は今回は「ピンクタイド」ではなく、経済安全保障時代にふさわしい国家のリーダーシップとして「ブルータイド」を選択した。中南米の右派政権は治安の回復に加え、国家能力の強化を通じた投資拡大とサプライチェーンへ参加を経済発展戦略として掲げていて、この点が第2次トランプ政権の経済安全保障重視戦略と一致した。


【コラム】中南米の「ブルータイド」、トランプ効果ではない(2)

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