京畿道・議政府市(キョンギド・ウィジョンブシ)でカフェを経営するチョ・サンヒョンさんが15日、自身のカフェで1人で働いている。[写真 本人提供]
15日、チョさんは「深刻な不景気で周囲の店が次々と廃業し、商圏全体も活気を失った。1日の売り上げが10万ウォン(約1万円)にも届かない日も少なくない」とし、「毎年最低賃金は上がるが、アルバイトを1人雇うだけでも大きな打撃になるので、1人で営業するしかない」とため息をついた。
雇用労働部傘下の最低賃金委員会は、来年度の最低賃金を今年(時給1万320ウォン)より380ウォン(3.7%)引き上げた時給1万700ウォンに確定した。
これを受け、小商工人連合会は15日、声明を発表し、「過去最大の負債と景気低迷の中で、日々を必死に耐え抜いている790万人の小規模事業者の切実な訴えを顧みなかった決定に、深い遺憾と虚脱感を禁じ得ない」と表明した。そのうえで、政府と国会に対し、▷最低賃金を隔年で決定すること ▷最低賃金を業種別に区分して適用すること ▷(最低賃金を議論する際)小規模事業者の代表性を強化することなどを求めた。
中小企業中央会も同日、「零細企業や小規模事業者は過度な人件費負担により、雇用を減らすか、廃業に追い込まれることになる」とし、「業種別区分適用の実施と、企業の支払い能力を反映する制度改善を早急に進めるべきだ」と強調した。
最低賃金の引き上げ幅は3.7%だが、現場で実際に体感する上昇率は20%を超えるとの声が上がっている。週15時間以上働く労働者に支給する週休手当を含めると、実質時給は1万2840ウォン、月額換算では223万6300ウォンに達するためだ。
実際、小商工人連合会が今年5月に小規模事業者700人を対象に実施した調査では、回答者の87%が「現在の最低賃金水準は負担が大きい」と答えた。
ソウル・麻浦区(マポグ)で韓国料理店を経営するイ・ジェフンさん(66)は、「食材価格が上がれば、メニュー価格に一部を反映させることはできるが、最低賃金の引き上げはそうはいかない」とし、「人件費の負担が重く、今年は従業員を3分の2減らした」と語った。水道・ガス料金や家賃、人件費などの固定費を差し引くと、手元に残る利益は売り上げの20%にも満たないという。
イさんは「最低賃金が上がれば、従業員の保険料や退職金など、人件費に連動する費用も増えるが、自営業者が実感できるような支援はほとんどなく、過酷に感じるほどだ」と話した。
最低賃金の引き上げに伴い、来年は週休手当や失業給付(求職給付)、出産前後休業給付など、各種の政府支援金も相次いで引き上げられる。
現在、最低賃金を算定基準としている法令は27あり、週休手当は今年の8万2560ウォン(週5日、1日8時間勤務基準)から、来年は8万5600ウォンに引き上げられる。人件費の割合が高い飲食・宿泊業や卸・小売業などの自営業者の負担はさらに大きくなる。
失業給付(求職給付)の下限額も、1日8時間勤務基準で6万6048ウォンから6万8480ウォンに引き上げられるが、現在の上限額である6万8100ウォンを下限額が上回る「逆転現象」が起こる可能性もある。
専門家らは、現行の最低賃金の決定制度全体を見直す必要があると指摘している。現在の最低賃金は、労働界、経営界、公益委員(政府推薦)がそれぞれ9人ずつ、計27人で決定している。労使間の意見の隔たりが非常に大きいため、採決による最終決定は、事実上、公益委員が左右している。そのため、最低賃金の水準が政権の性向によって左右されるとの批判が絶えず提起されてきた。一方、フランス、ドイツ、英国などでは、それぞれ10人未満の専門家グループを中心に、雇用や物価、生産性などを総合的に考慮して最低賃金を決定している。
漢城(ハンソン)大学のクォン・サンジプ教授は、「業種や地域ごとの特性、雇用指標、物価上昇率などを総合的に反映する客観的な決定基準を設けるべきだ」とし、「予測可能な最低賃金の決定制度へと改編することが望ましい」と述べた。
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