韓国の鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官が昨年12月19日、政府ソウル庁舎別館で開かれた外交部(在外同胞庁)・統一部の業務報告で発言している。大統領室写真記者団
韓国統一部は18日、『2026統一白書:2025韓半島平和共存の記録』(韓半島は朝鮮半島を指す)を発刊した。昨年6月の李在明政府発足以降に推進した緊張緩和措置や平和政策などを盛り込んだもので、1990年の初の白書発刊以来、副題がついたのは初めてだ。韓国政府は対北朝鮮政策の成果と具体的な方向性を説明するため、92年以降、毎年白書を発刊している。
白書は「韓半島平和共存政策」(第1章)で、「(李在明政府は)北朝鮮の体制を尊重し、吸収統一を追求せず、敵対行為を行わない」という対北朝鮮政策の3原則を明記した。特に新たな対北朝鮮政策の方向として「韓半島平和共存政策」を提示しながら、「南北が事実上の二国家として存在する現実を考慮し、南北関係を統一を志向しながら平和的に共存する関係にしていきたい」と説明した。
統一を志向するという点を明記してはいるものの、政府の対北朝鮮基調を網羅する白書に南北関係を「事実上の二国家」と規定したことは、不必要な論争を招きかねないとの指摘だ。早速、専門家の間からは憲法と相反するとの評価が出ている。第3条は「大韓民国の領土は韓半島とその付属島嶼(とうしょ)とする」と規定し、第4条には「大韓民国は統一を志向し、自由民主的基本秩序に基づく平和的統一政策を樹立してこれを推進する」とされている。
◇二国家論の違憲論争が起きると…統一部「憲法と相反するとの主張は事実歪曲」
これに関連して統一部は、「政府の公式統一方案である『民族共同体統一方案』は南北間の平和共存を制度化する中間過程として、南北がそれぞれ異なる体制で共存する『南北連合』段階を設定している」とし、「『南北関係を統一を志向しながら平和的に共存する関係にしていきたい』というのが憲法と相反するとの主張は事実を歪曲したものだ」との立場を示した。
ただ、北朝鮮が韓国を第1敵対国と規定し、核による先制攻撃の脅しさえためらわない中で、政府があえて北朝鮮が敵対関係を際立たせるために使う「二国家」という表現を使うことは、誤解を招きかねないとの指摘だ。
今年の白書は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府時代の昨年発刊した白書と多くの点で異なった。昨年は「北朝鮮人権と人道的問題」という独立した章として取り上げていた北朝鮮人権問題を「南北人権協力の推進」という節に縮小した。9・19南北軍事合意についても、「持続的な合意違反と2023年11月の北朝鮮による事実上の破棄宣言により有名無実化」したという昨年の評価が、今年は「9・19軍事合意の復元により南北間の軍事的緊張を緩和し、信頼を築いていく」という誓いへと180度変わった。
こうした政策の転換は、白書に使われた主要用語の頻度にも表れた。「平和」または「平和共存」という単語は昨年の108回から今年は627回へと急増し、「会談」または「対話」も50回から144回へと大幅に増加した。
一方、尹錫悦政府が強調していた「北朝鮮人権」は288回から47回へ、「自由」は118回から16回へとそれぞれ急減した。また、「統一」または「平和統一」という用語についても1305回から899回へと減少した。
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