市民の関心から6・3地方選挙が消えた。夜中に米国とイランの終戦交渉の状況を確認し、昼は株価のチェックに追われているため、選挙など眼中にない。中東発のオイルショックに物価高・高い失業率、景気沈滞が重なり生活が厳しい状況で、候補者の大半が誰かも分からない地方選挙が目に入るはずもない。
有権者の立場では誰が当選しても変わらなければ関心を断つのが合理的な選択だ。むしろ「26兆ウォン戦争補正予算」を編成し、3577万人に1人あたり最大60万ウォン(約6万5000円)の「原油高被害支援金」6兆1000億ウォンを選挙を控えて支給するのが最大の関心ニュースとなっている。文在寅(ムン・ジェイン)政権も2020年の総選挙直前に4人世帯に100万ウォンなどコロナ緊急災難支援金14兆2357億ウォンの支給を発表し、共に民主党を180議席の圧勝を導いた。今回の「現金ばらまき」が与党の確実な勝利公式として定着した選挙として政党史に記録される可能性もある。
財政規模(約52兆ウォン)で全国最大の地方自治体であるソウル市長選挙も盛り上がりに欠ける。鄭愿伍(チョン・ウォンオ)元城東区庁長と現呉世勲(オ・セフン)ソウル市長で16の広域団体の首長のうち比較的早く与野党対戦が確定したにもかかわらずだ。特に鄭愿伍氏は城東区で12年間・3選だが、930万人のソウル市民の立場では政治新人であり、知る人はあまりいない。任鍾晳(イム・ジョンソク)議員の補佐官だったというのがすべてだ。李在明(イ・ジェミョン)大統領が選択した「明ピック」候補というが、その縁も伝えられていない。当選すれば「ホットプレイス」の聖水洞(ソンスドン)のようにソウル全域の文化観光産業を振興させるのだろうか。もっともらしいが、それがソウルの最大の課題なのかは首をかしげざるを得ない。呉世勲市長はさらに深刻だ。10年間の空白を経た初の4選ソウル市長だが、明泰均(ミョン・テギュン)氏の世論調査費用代納疑惑で司法リスクに負っている。選挙後に1審の結審と宣告公判が予定されていて、5選に成功しても司法審判のハードルを越えなければならない。
大統領選挙から1年ぶりの選挙だが、候補の代わりに与野党代表の2人が話題の中心に浮上したのも奇現象だ。鄭清来(チョン・チョンレ)民主党代表は公認の過程で多くの雑音と紆余曲折があったが、金東兗(キム・ドンヨン)京畿道知事、金寛永(キム・グァンヨン)全北道知事、姜琪正(カン・キジョン)光州市長、金瑛録(キム・ヨンロク)全南道知事、呉怜勲(オ・ヨンフン)済州道知事など現市道知事5人全員を入れ替えた。候補に確定した秋美愛(チュ・ミエ、京畿道)、閔炯培(ミン・ヒョンベ、全南光州統合市)、李源沢(イ・ウォンテク、全北道)、朴洙賢(パク・スヒョン、忠南道)候補は文政権時代から結束してきた検察改革の強硬派、または「親鄭派」議員だ。鄭代表は選挙結果しだいで8月の党大会における党権維持が有力な状況だ。今月8日には金富謙(キム・ブギョム)候補の傍らで「大邱が真の春を迎えられるようにする」と述べるなど保守の地盤を集中攻略し、大統領選候補級の全国ツアーを展開している。
一方、国民の力の張東赫(チャン・ドンヒョク)代表は、選挙を40日後に控えてリーダーシップ喪失の状態に陥った。22日には金鎮台(キム・ジンテ)江原道知事を訪ねたが「結者解之(自分が起こした問題自分で解決するべき)」と面罵される始末だった。党がカットオフ内紛で公認も終えられない危機状況だが、8泊10日間の長期訪米をし、キム・ミンス最高委員と米議事堂での記念ツーショット写真を誇示したため辞任要求までが殺到している。こうした状況のため、韓東勲(ハン・ドンフン)前国民の力代表(釜山北甲)、曺国(チョ・グク)革新党代表(平沢乙)が出馬した国会議員補欠選に目が向かうのは当然だ。
憲政史で最も強力な与党が財政まで動員する一方、野党は自滅危機にあり、選挙の結果は目に見えているかもしれない。問題は与野党の勝敗ではない。地域問題に根ざした草の根の新人の登竜門となる代わりに、大統領選の前哨戦のように行われた今回の選挙以降、地方の「中央政治への隷属」はさらに強まるおそれが大きい。地方自治の目的である均衡ある発展どころか、30%台の地方青年雇用率に端を発した地方の空洞化、地方消滅の危機がむしろ加速するだろう。国家財政の約40%にあたる年間330兆ウォンを費やす自治体予算の監視も疎かになるはずだ。31年の地方自治が交付税や補助金を食い物にする官公庁工事・納品業者だけのリーグに転落してしまわないか懸念される。
チョン・ヒョシク/社会副局長
有権者の立場では誰が当選しても変わらなければ関心を断つのが合理的な選択だ。むしろ「26兆ウォン戦争補正予算」を編成し、3577万人に1人あたり最大60万ウォン(約6万5000円)の「原油高被害支援金」6兆1000億ウォンを選挙を控えて支給するのが最大の関心ニュースとなっている。文在寅(ムン・ジェイン)政権も2020年の総選挙直前に4人世帯に100万ウォンなどコロナ緊急災難支援金14兆2357億ウォンの支給を発表し、共に民主党を180議席の圧勝を導いた。今回の「現金ばらまき」が与党の確実な勝利公式として定着した選挙として政党史に記録される可能性もある。
財政規模(約52兆ウォン)で全国最大の地方自治体であるソウル市長選挙も盛り上がりに欠ける。鄭愿伍(チョン・ウォンオ)元城東区庁長と現呉世勲(オ・セフン)ソウル市長で16の広域団体の首長のうち比較的早く与野党対戦が確定したにもかかわらずだ。特に鄭愿伍氏は城東区で12年間・3選だが、930万人のソウル市民の立場では政治新人であり、知る人はあまりいない。任鍾晳(イム・ジョンソク)議員の補佐官だったというのがすべてだ。李在明(イ・ジェミョン)大統領が選択した「明ピック」候補というが、その縁も伝えられていない。当選すれば「ホットプレイス」の聖水洞(ソンスドン)のようにソウル全域の文化観光産業を振興させるのだろうか。もっともらしいが、それがソウルの最大の課題なのかは首をかしげざるを得ない。呉世勲市長はさらに深刻だ。10年間の空白を経た初の4選ソウル市長だが、明泰均(ミョン・テギュン)氏の世論調査費用代納疑惑で司法リスクに負っている。選挙後に1審の結審と宣告公判が予定されていて、5選に成功しても司法審判のハードルを越えなければならない。
大統領選挙から1年ぶりの選挙だが、候補の代わりに与野党代表の2人が話題の中心に浮上したのも奇現象だ。鄭清来(チョン・チョンレ)民主党代表は公認の過程で多くの雑音と紆余曲折があったが、金東兗(キム・ドンヨン)京畿道知事、金寛永(キム・グァンヨン)全北道知事、姜琪正(カン・キジョン)光州市長、金瑛録(キム・ヨンロク)全南道知事、呉怜勲(オ・ヨンフン)済州道知事など現市道知事5人全員を入れ替えた。候補に確定した秋美愛(チュ・ミエ、京畿道)、閔炯培(ミン・ヒョンベ、全南光州統合市)、李源沢(イ・ウォンテク、全北道)、朴洙賢(パク・スヒョン、忠南道)候補は文政権時代から結束してきた検察改革の強硬派、または「親鄭派」議員だ。鄭代表は選挙結果しだいで8月の党大会における党権維持が有力な状況だ。今月8日には金富謙(キム・ブギョム)候補の傍らで「大邱が真の春を迎えられるようにする」と述べるなど保守の地盤を集中攻略し、大統領選候補級の全国ツアーを展開している。
一方、国民の力の張東赫(チャン・ドンヒョク)代表は、選挙を40日後に控えてリーダーシップ喪失の状態に陥った。22日には金鎮台(キム・ジンテ)江原道知事を訪ねたが「結者解之(自分が起こした問題自分で解決するべき)」と面罵される始末だった。党がカットオフ内紛で公認も終えられない危機状況だが、8泊10日間の長期訪米をし、キム・ミンス最高委員と米議事堂での記念ツーショット写真を誇示したため辞任要求までが殺到している。こうした状況のため、韓東勲(ハン・ドンフン)前国民の力代表(釜山北甲)、曺国(チョ・グク)革新党代表(平沢乙)が出馬した国会議員補欠選に目が向かうのは当然だ。
憲政史で最も強力な与党が財政まで動員する一方、野党は自滅危機にあり、選挙の結果は目に見えているかもしれない。問題は与野党の勝敗ではない。地域問題に根ざした草の根の新人の登竜門となる代わりに、大統領選の前哨戦のように行われた今回の選挙以降、地方の「中央政治への隷属」はさらに強まるおそれが大きい。地方自治の目的である均衡ある発展どころか、30%台の地方青年雇用率に端を発した地方の空洞化、地方消滅の危機がむしろ加速するだろう。国家財政の約40%にあたる年間330兆ウォンを費やす自治体予算の監視も疎かになるはずだ。31年の地方自治が交付税や補助金を食い物にする官公庁工事・納品業者だけのリーグに転落してしまわないか懸念される。
チョン・ヒョシク/社会副局長
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