「ノー・キングス(No Kings)」デモでプラカードを掲げて行進する市民。
最も体感が大きい変化はガソリン価格だ。29日(現地時間)、米国自動車協会(AAA)によると、2月末にガロン当たり2.98ドル水準だった米国の平均ガソリン価格は、この日時点で3.98ドルまで上昇し、1カ月で約1ドル上昇した。上昇率は33.6%に達する。特にカリフォルニア州の平均価格はガロン当たり5.87ドル水準まで上昇し、一部のガソリンスタンドでは8.77ドルを記録するなど異例の高値も現れた。為替1500ウォンを適用してウォンに換算すると、韓国より高いリットル当たり約3480ウォン水準となる。
このため自動車が必須の環境で、米国人が移動を控える異例の現象まで起きている。グローバル金融リサーチ・投資分析機関モーニングスターは「高所得層は原油価格の上昇にもかかわらず走行量を増やす一方、低所得層は運転を断念する『K字型消費の二極化』が現れている」と指摘した。またキャンプや近距離旅行など費用負担が少ない「ステイケーション(staycation・自宅や近場で楽しむ低コストの休暇)」が消費トレンドとして浮上していると伝えた。
公共料金も上昇圧力を受けている。25日、米国郵政公社(USPS)は配送料金を8%引き上げると発表した。最近急騰した輸送燃料費の負担を反映した措置で、来月26日から2027年1月17日まで期間限定で適用される。ニューヨークの最大エネルギー供給企業コン・エジソンは天然ガス需給の不安を理由に、4月の料金請求分から15~20%水準の電気料金引き上げを予告した。これは企業の流通・生産コスト増加につながり、全体的な生活費や食料品価格の上昇を招き、家計に負担を与える。
金利上昇も庶民の肩に重くのしかかる。米国の10年物国債利回りは1カ月で年3.97%から4.44%へ0.47%ポイント上昇し、8カ月ぶりの高水準を記録した。これに伴い住宅ローン金利も急速に上昇した。モーゲージ銀行協会の基準によると、30年固定の住宅ローン金利は2月末の5.98%から3月末には6.43%へ上昇した。金利上昇により住宅購入は減少し、住宅市場は硬直している。結果として住宅を購入できなかった需要が賃貸市場に流入し、家賃上昇圧力につながるとの分析が出ている。
ロイターは「10年物国債利回りの上昇は住宅ローンだけでなく、最終的にはクレジットカードや自動車ローンなど他の金融コストも押し上げ、家計負担を全般的に拡大させる要因として作用する」と説明した。トランプ大統領の国政支持率は36%で再任以降の最低水準を記録し、特に経済政策支持率は29%、生活費対応の評価は25%と全体平均を下回った。
米国の経済ショックは韓国国内にも波及する可能性が高い。米国人の可処分所得が減少すれば、家電・自動車・IT機器など韓国の主要輸出品の需要は鈍化する。さらに米国の金利上昇で「ドル高」現象が強まれば、ウォン安と輸入物価上昇につながる。国内物価の負担を押し上げる要因だ。淑明(スンミョン)女子大学経済学科の康仁洙(カン・インス)教授は「米国がインフレにより高い金利水準を維持する場合、韓国銀行の対応の余地は狭まる。基準金利を引き下げにくい状況になるだろう」と述べた。
この記事を読んで…