ディープシークアプリ。[写真 ロイター=聯合ニュース]
ディープシークは1年前に推論モデル「R1」を公開し、資金と演算をつぎ込むほど性能が上がるというAI業界の不文律「スケーリングの法則」に亀裂を生み出した。米国のビッグテックのように数万個の最先端グラフィック処理装置(GPU)を動員せずにそれに匹敵する性能を実現すると、市場では「AIのスプートニクモーメント」(マーク・アンドリーセン、a16z共同創業者)、「われわれより優れたモデルを出すだろう」(サム・アルトマン、オープンAI CEO)などという反応が出てきた。
ディープシーク登場から1年間、中国のAI生態系は速く動いた。ディープシークはR1をだれでもダウンロードして修正・再学習して使えるオープンウェイト方式で公開した。性能は優れているが使用量により毎回費用が発生する米国ビッグテックの閉鎖型モデルと違い、オープンウェイトは開発者がモデルを直接手にして望みのままに調整できる。この方式は中国製AIの影響力を拡大する核心戦略になった。アリババのクウェン、ムーンショットのキミなど中国のAI企業も相次いでオープンウェイトモデルを公開し生態系を広げた。
スタンフォード大学の「人間中心のAI研究所(HAI)」によると、世界的オープンソースプラットフォームのハギングフェイスに公開されたファインチューニングAIモデル(基本モデルを目的に合わせて改造したAIモデル)の63%が中国モデルをベースに作られた。中国製AIが世界の開発現場で基本オプションのように使われ始めたということだ。昨年11月に発表されたMITとハギングフェイスの共同研究でもこの1年間中国製モデルのダウンロードシェアは17%を記録し米国の15.8%を追い抜いた。
こうした流れはAI覇権競争の原形そのものを揺さぶっている。わずか2~3年前には米中AI競争は半導体と輸出規制を中心に説明された。米国が最先端GPUの中国への供給を遮断すればAI競争で自然に優位を確保できるという判断が支配的だった。だが少ないGPUで学習効率を上げた中国モデルの拡散はこの前提に亀裂を生み出している。中国経営研究所のパク・スンチャン所長は「中国でAI企業関係者に会えばトランプ大統領がありがたいという笑い話をする。米中対立が中国AIの発展を引き上げた側面もある」と話した。
プライド高いシリコンバレーまで使う…AI戦争で勝機つかんだ中国の戦略(2)
この記事を読んで…