11日(現地時間)、デモの犠牲者の棺がテヘランで運ばれる様子。[ロイター=聯合ニュース]
英紙タイムズは同日、「イラン向けのインターネット通信トラフィックは急減し、国際電話や携帯電話サービスも事実上停止した」とし、「現地では『パンよりもインターネットの方が重要だ』という言葉が出るほど深刻な状況だ」と報じた。これに先立ち9日、イラン政府はインターネットと通信網を全面遮断した。イラン国内に数万台の受信機が設置されているとされる衛星通信スターリンクの利用を困難にするため、GPS信号の妨害にも乗り出したという。人権団体「ミアーン」のアミール・ラシディ理事はCNNに「インターネットだけでなく、携帯電話や固定電話、SMSなど、あらゆる通信手段が遮断された」とし、「前例のない水準だ」と述べた。
このため、外部から現地の状況を正確に把握できなくなり、イラン政府が虐殺を隠蔽できるのではないかとの懸念が出ている。人権団体「イラン人権活動家通信(HRANA)」などは、過去2週間の抗議デモで少なくとも544人が死亡し、1万人以上が拘束されたと明らかにしたが、「2000人以上が死亡した可能性がある」(イラン・インターナショナル)との報道も相次いでいる。実際、「イラン当局がデモ参加者を狙い撃ちしている」(ガーディアン)とされるなど、鎮圧は一層強まっている。
イラン政府による「隠蔽」は、かえって国内外の反政府デモを刺激している。ハメネイ最高指導者の写真を燃やす画像がSNSで相次いで拡散され、欧州などではイラン大使館周辺に数百人、数千人規模のデモ参加者が集まっている。
事態の悪化を受け、ドナルド・トランプ米大統領は再び介入の可能性を示唆した。トランプ大統領は同日、フロリダ州パームビーチからワシントンD.C.に向かう大統領専用機内で軍に言及し、「複数の強硬な選択肢を検討している」と述べた。トランプ大統領は13日、側近らと、イランへの軍事攻撃から軍事・民間施設へのサイバー攻撃、経済制裁に至るまでを協議する見通しだ。
これに対し、ハメネイ師もSNSに、トランプ大統領を崩れ落ちる古代エジプトの石棺(石製の棺)として描いた絵を投稿し、「世界の暴君や傲慢な者たちは、傲慢さが極みに達したときに没落してきたという事実を知るべきだ。あなたもまた没落するだろう」と記した。抗戦の意思を示し、内部の結束を促す狙いとみられる。ただし、これに先立ちトランプ大統領は、イラン指導部が米国に電話をかけ、交渉の意思を伝えてきたとし、対話による解決の可能性にも言及していた。
イランの抗議デモには、世界的に著名な人物も声を上げている。『ハリー・ポッター』シリーズの作家J・K・ローリングは、自身のX(旧ツイッター)に、ハメネイ師の写真にたばこの火を押し当てる女性の絵を投稿し、「人権を擁護すると言いながら、イランで自由のために闘う人々と連帯できないなら、それがあなたの本性だ」として、イラン政府を強く非難した。イーロン・マスク氏もこれを共有し、連帯を示した。
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