ソウルのハナ銀行偽変造対応センターで銀行関係者がドルを整理している。[写真 ニュース1]
こうした高強度措置をめぐり企業の自律性を侵害しかねないとの指摘が出る。前例のない国民年金の外貨建債券発行も長期的に国民の老後財政に否定的影響を及ぼすだろうという恐れがある。
企画財政部関係者は「輸出企業の外貨資金現況をモニタリングするための特別作業班を設置する。企業からどんな資料を提出させるのか検討中で、必要な場合にはインセンティブなど制度改善議論まで考慮している」と話した。企画財政部は傘下の国際金融局に外国為替需給専従班を設置して人材を補強する計画だ。
政府は企業の両替の流れと海外投資現況を定期的に点検し管理する予定だ。企業の「ドル貯め込み」により外国為替市場が萎縮しているので直接確認するという意図だ。作業班では輸出企業に多様な制度的優遇を与えることも論議される見通しだ。ドル両替に積極的に取り組んだり国内設備投資を増やす企業に対する政策資金支援限度を増やし優待金利を提供する案などだ。税制優遇も議論される。一例として海外子会社などから受けた配当金に対する非課税優遇の割合を現行の95%から100%に拡大する形だ。
保健福祉部も外貨建債券発行の必要性と妥当性を検討するための研究リサーチを最近発注した。「無負債」を維持してきた国民年金の債券発行は前例のないことだ。国民年金が直接市場でドル建債券を発行し「ドル建て負債」を抱えることになるが、直接現物市場でドルを確保しなければならない負担が減る。
韓国政府は証券会社に対する管理も強化する。金融監督院を中心に証券会社の海外投資商品販売過程で投資家説明義務履行の有無、リスク告知の適正性、資金を借り入れて投資することをあおるマーケティング慣行などを来年1月まで集中点検することにした。
こうした措置をめぐり淑明(スンミョン)女子大学経済学部のカン・インス教授は「企業の立場では海外投資や原材料輸入など多様な目的を持って両替を先送りしているものだが、これを政府が過度に干渉するのは望ましくない」と話した。
国民年金の外貨建債券発行についても梨花(イファ)女子大学経済学科の石秉勲(ソク・ビョンフン)教授は「債券を発行すれば結局これまで出していない利子を払わなくてはならないが、国民の老後に向けた年金収益率最大化という目標と矛盾する」と指摘する。
現職首相が韓国銀行総裁との懇談会日程を事前に公開して会ったのも異例だ。この日の会合は金首相の提案が契機になった。こうした政府の強力な対応にも外国為替市場の反応は鈍い。この日のウォン相場は5.40ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1472.30ウォンで取引を終え、また1470ウォン台に下がった。
カン教授は「海外株に投資する個人投資家や企業が誤判断したというようなアプローチよりは、韓米関税交渉や内外金利差のように構造的要因が複合的に作用している点を認め、長期的観点で対応しなければならないだろう」と助言した。
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