李在明大統領とトランプ米大統領が10月29日に慶尚北道慶州で開かれた首脳会談に先立ち握手している。[写真 ニュース1]
◇「台湾海峡・南シナ海の向こう側の平和努力」
フリッツ次官補はこの日ワシントンで開かれた韓国国際交流財団(KF)と戦略国際問題研究所(CSIS)主催のフォーラムで、トランプ大統領が支持を表明した韓国の原潜建造と関連した協力を持続する方針を明らかにした後「これは域内脅威に対する集団的能力進展の事例」と強調した。
「域内脅威」は北朝鮮の核とミサイルだけでなく、拡大する中国の攻勢的動きを意味する。韓米同盟の土台を韓半島(朝鮮半島)を超えインド太平洋一帯に拡大する可能性を示唆した言葉だ。
実際にフリッツ次官補は「韓国をはじめとする地域全般のパートナーと協力し国際海洋法を守って台湾海峡と南シナ海、そしてその向こう側の平和と安定を保障するために努力するだろう。われわれは韓半島とさらに広いインド太平洋地域に影響を及ぼす問題に対しいつになく緊密に協力している」と強調した。
中国を牽制するために韓国の原潜建造を承認したという趣旨と解釈される素地があるフリッツ次官補の発言に韓国外交部は火消しに出た。
韓国外交部はこの日配布した資料で「韓国の原潜運用は急変する韓半島の安全保障環境に対応し韓国の安全保障をしっかりするためのもの。特定国を対象にするものではない」と明らかにした。「特定国」という表現を使ったが、事実上原潜が中国を狙ったものではないという点を強調した意味だ。
訪米している外交部の朴潤柱(パク・ユンジュ)第1次官も米シンクタンク関係者らと会い韓米原子力協力の履行を促しながらも「韓国は核非拡散分野の模範国として非拡散規範を順守する意志が確かで、これは核拡散とは関係がない」と強調した。
◇北朝鮮と交渉した元特別代表ら「現実的アプローチが必要」
一方、フリッツ次官補はこの日「北朝鮮の完全な非核化を促している」として対北朝鮮政策の目標が非核化であることを明確にした。しかし対北朝鮮政策の元担当者は北朝鮮を対話のテーブルに引き出すために現実的な目標修正が必要と指摘した。
1994年の北朝鮮の核危機当時に米国側首席交渉代表を務めたガルーチ元国務次官補は「北朝鮮の非核化は依然として有効なのか」という質問に、「北朝鮮の核能力がすでに相当にあるという現実を認めないことこそ非現実的。北朝鮮と再び対話しようとしながら非核化を前面に出すことが役に立つだろうか。私の答は『そうではない』ということ」と強調した。
第1次トランプ政権で対北朝鮮特別代表として2019年のハノイでの朝米首脳会談などを推進したビーガン元国務副長官も「非核化が完全に終わったと話すわけにはいかないが、いまの見通しが非常に暗いのは事実」と話した。
ビーガン元副長官は「警戒することは相手が何を望むか推定すること」と話した。彼は決裂で終わったハノイでの会談と関連し、「非核化に向け北朝鮮の経済・外交正常化ロードマップを設計したが、これは北朝鮮が望むものだとわれわれが予想したにすぎなかった。北朝鮮の『金王朝』が自国民と外国企業家が国境を行き来して情報が流入する広範囲な人的交流を利益とみるだろうか」と反問した。
ビーガン元副長官は続けて「決裂したハノイでの会談は不和の中で中断されただけで終わったのではない」とし、トランプ大統領の対北朝鮮対話再開の可能性を開けておいた。ただし「ウクライナ戦争が少なくとも暫定的な解決をみるまでは北朝鮮が米国との関与を考慮する可能性はほとんどない」と付け加えた。
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