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【社説】関税合意に到達した韓米、遅くなったが幸いだ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

29日、国立慶州博物館で韓米首脳会談の前に握手する李在明(イ・ジェミョン)大統領とトランプ米大統領 [写真=大統領室]

慶州(キョンジュ)アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の開幕を控えて昨日(29日)行われた韓米首脳会談で、3カ月以上続いてきた関税交渉が電撃妥結した。両国は最大争点である韓国の3500億ドル(約53兆円)対米投資の直接現金投資比率と収益配分方式、期間などに関して最終的に合意した。3500億ドルのうち現金投資は2000億ドル、年間投資上限は200億ドルとし、事業の進展程度によって分割納入を可能にした。これを受け、対米投資で韓国の為替リスクは避けられることになった。韓国銀行(韓銀)は為替市場に衝撃を与えない為替調達規模を年150億~200億ドル水準と推定している。

残りの1500億ドルは両国の造船業協力プロジェクト「MASGA(=Make America Shipbuilding Great Again)」に民間企業主導で投入され、ここには保証も含まれることに合意した。民間企業の主導で対米投資をすることにした欧州連合(EU)方式を適用したのだ。民間投資の合理性を期待でき、政府の負担も減らしたという点で評価できる。収益配分を米国の要求に基づき5対5に決定した点と50%の鉄鋼関税の引き下げを貫徹できなかった点は惜しまれる。


相互関税は15%を維持し、自動車関税は25%から15%に下がる。韓国政府が米国との交渉で堅持してきた「商業的合理性」と韓国経済に役立つかどうかなど国益優先の原則を守ったという点で幸いだ。コメや牛肉など敏感な農業分野の追加開放も防いだ。半導体も輸出市場で韓国と競争する台湾と比較して不利でない関税が適用されることになった。品目関税のうち医薬品・木材などは最恵国待遇を受け、航空機部品、ジェネリック医薬品、米国内で生産されない天然資源などには無関税が適用される。その間、対米輸出自動車に高率関税を負担してきた現代車グループは「難しい交渉過程を経て妥結にいたるまで献身的に努力してきた政府に感謝する」と明らかにした。


同盟の現代化など安保協議に両国が共感した点も評価できる。李在明(イ・ジェミョン)大統領は韓国が防衛費を増額し、防衛産業の発展を通じて自強力を高め、米軍の負担を減らすと述べた。両国は人工知能(AI)・バイオ・宇宙など先端科学分野の「技術同盟」を強化する了解覚書(MOU)も締結した。

李大統領は「ディーゼル潜水艦は潜航能力が落ちるので北や中国側の潜水艦追跡活動に制限がある」として原子力潜水艦の必要性に公開的に言及した。韓米原子力協定改定の必要性を強調するための戦略だったが、11月1日の中国との首脳会談を控えてあえて中国に言及するのが適切だったかは論議を呼ぶ。

トランプ大統領はAPEC最高経営責任者(CEO)サミットで韓国との造船業協力をめぐり「我々は結婚した(wedded)関係」と表現した。結婚が幸せに維持されるためには相互尊重と配慮が必要であり、強固な韓米同盟と互恵的な経済協力も相互尊重と配慮がなければ揺らぎかねない。韓米関係が今回の合意を基礎に経済と安保をともに一段階アップグレードされる契機になることを期待する。



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