ウクライナのゼレンスキー大統領(左)とロシアのプーチン大統領。[写真 EPA=聯合ニュース]
タス通信とリアノーボスチ通信などロシア国営メディアがベラルーシ国営ベルタ通信を引用した内容によると、ベラルーシのルカシェンコ大統領がこの日記者らにこのように話した。ルカシェンコ大統領は代表的な親ロ派だ。
ルカシェンコ大統領は「ゼレンスキー大統領の執務室があるウクライナの首都キーウのバンコバ通りをオレシュニクミサイルで攻撃しようという提案があったが、プーチン大統領は『絶対にだめだ』として拒否した」と伝えた。彼は「彼ら(ロシア)は準備ができており、オレシュニクで意志決定中心部(大統領執務室)を攻撃したとすればそこには何も残らなかっただろう。彼らは全般的に平和的意志決定方式で問題を解決しようとする」とした。
オレシュニクはロシアが保有する射程約3000~5500キロメートルの極超音速中距離弾道ミサイル(IRBM)で、防空網の上を飛行し36個の小型爆弾に別れて落下する方式の新型武器だ。パトリオットミサイルでの迎撃は難しいとされ、核弾頭を搭載すれば戦術核兵器としても運用できる。
プーチン大統領がウクライナ核心部をオレシュニクで攻撃すべきとの提案を拒否したという報道は、トランプ米大統領がウクライナ戦争と関連し「侵略国を攻撃しなくては戦争で勝つことはできない」としてウクライナのロシア本土攻撃の可能性を示唆した直後に出てきた。これと関連し、一部ではプーチン大統領がゼレンスキー大統領と違い自身は節制された指導者というイメージを植え付けようとする意図が伺えるとの分析が出ている。
ロシアはすでにウクライナ領土に向けオレシュニクを発射したことがある。米バイデン政権はウクライナが米国製長距離ミサイルでロシア本土を攻撃できないようにしたが、昨年の大統領選挙敗北後にウクライナが米国製長距離ミサイルを利用してロシア本土を打撃できるよう政策を転換した。これに対しロシアは自国の核ドクトリンを改正し、核保有国の支援を受けた攻撃は共同攻撃と見なすと宣言した。それから数日後にロシアはウクライナのドニプロにオレシュニクを発射した。
ロシアとウクライナは現在も武力攻防を続けている。ロイター通信などによると、ウクライナ軍は21日夜にロシアのブリャンスク州西部ウネチャにある原油ポンプ場をドローンで空爆した。ウネチャのポンプ場はベラルーシとウクライナを結ぶドルジュバ・パイプラインの核心施設だ。ウクライナ軍のドローン部隊指揮官はテレグラムで「今回の攻撃によりハンガリーとスロバキアに対する原油供給が最小数日間中断された」と明らかにした。
ウクライナ軍の空爆は18日に続き今週だけで2度目だ。ポリティコ欧州版の22日の報道によると、トランプ大統領は18日に行われたウクライナのロシア送油管攻撃のニュースを聞いて「非常に腹が立った」と話した。ハンガリーの政権与党フィデスはこの日、フェイスブックにハンガリーのオルバーン首相が送った書簡とこれに対するトランプ大統領の答弁内容が入れられた写真を掲示してこのように明らかにした。
ロシアは同日、米電子企業フレックスの工場などがあるウクライナ西部に向かって574機のドローンと40機のミサイルを発射した。ウクライナ空軍は「今年に入り最大規模の空中攻撃のひとつだった」と伝えた。
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