「チェジュ航空事故の被害を拡大させた構造物の調査費用1億ウォン」…遺族「追悼碑10億ウォンの代わりに原因の徹底究明を」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2025.07.24 11:08
4月22日、全羅南道務安(ムアン)国際空港で、チェジュ航空旅客機事故原因を調査する航空鉄道事故調査委員会の関係者らが被害を拡大したと指摘されたローカライザーコンクリート構造物を見ている。 [聯合ニュース]
チェジュ航空旅客機惨事遺族協議会のキム・ユジン代表は23日、中央日報との電話で「国土部が務安空港内のローカライザーが設置されたコンクリート構造物の調査を『資金がない』という理由で1億ウォン(約1060万円)で外部業者に随意契約したことが確認された」と述べた。
キム代表は「政府が惨事犠牲者を追悼する1周忌音楽会や追悼碑建設などに10億ウォンを配分したと聞いている」とし「重要なのは惨事の原因究明であるだけに、追悼行事に投入する費用でローカライザーに関する精密再調査をするべきだ」と促した。
チェジュ航空旅客機惨事とは、昨年12月29日午前9時3分ごろ、事故飛行機が務安空港の滑走路に胴体着陸をしたが、ローカライザーが備え付けられた滑走路外のコンクリート構造物に衝突して爆発した事故。当時の惨事で搭乗者181人(乗務員6人、乗客175人)のうち179人が死亡し、2人が負傷した。
遺族側は多数の専門家が事故の被害を拡大させたと指摘したコンクリート構造物に対する詳細な調査を要求してきた。キム代表は「この構造物を務安空港の滑走路の端に設置したのは国土部だ。なのに本人が随意契約をした事故原因調査が客観的なものになるのか」とし「遺族側は調査費用が1億ウォンという事故調査委側の説明に『追悼行事をする費用で構造物の調査を徹底するべき』という立場をすでに伝えた」と話した。当初、国土部傘下の航空・鉄道事故調査委員会(以下、事故調査委)は早ければ来月23日ごろ、務安空港コンクリート構造物に対する調査の結果を発表する予定だった。
キム代表は「最近、事故調査委の『惨事旅客機エンジン調査中間発表』の動きの中でも惨事の責任を操縦士に転嫁するような姿を見せた」とし「今回の調査もまた国土部の責任を回避する道具として悪用されるという懸念が強まっている」と述べた。
これに先立ち19日には事故調査委側が務安空港で進める予定だったエンジン詳細調査のブリーフィングが遺族側の反発で中止になった。当時、事故調査委側は遺族対象の説明会で「事故当時、操縦士が損傷した右側エンジンでなく正常だった左側エンジンを停止させた」という内容の中間調査結果を非公式的に伝えた。
これに対し遺族は「事故調査委の中間調査結果発表は操縦士のミスに向かわせる内容」とし「今回のでたらめな調査結果をメディアに発表してはいけない」と主張した。遺族の反発を受け、事故調査委側は「当初メディアにブリーフィングする方針だったエンジンの詳細調査結果内容は公開しない」とし「今後、調査内容は遺族と協議した後に発表するかどうかを決める」とし、ブリーフィングを取り消した。
一方、チェジュ航空旅客機惨事事件を捜査中の警察は先月、朴相佑(パク・サンウ)国土部長官、金二培(キム・イベ)チェジュ航空代表、国土部空港公社の職員、空港内ローカライザー会社関係者ら計24人を業務上過失致死傷容疑で刑事立件した。それぞれ管制業務、鳥類衝突予防業務などの担当者で、空港施設関連法律など違反の疑いで調査を受けている。
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