ブラジルのサルバドールで15~21日に開かれた「2025国際ロボカップ大会」で中国のヒューマノイドロボットチームが1位と2位を占めた。優勝は清華大学チームだった。写真は中国のロボットスタートアップ、ブースターロボティクスのヒューマノイドロボットがロボカップ出場を控え9日に北京で開かれた事前点検キャンプで作動テストを受けている様子。[写真 AP=聯合ニュース]
◇2025ロボカップは中国製ヒューマノイドが主流
ロボカップの競技規定はW杯のルールに合わせて毎年厳しくなる。筆者はこの数年間ロボカップのヒューマノイドアダルトサイズリーグに参加し、ヒューマノイドロボットの発展を見守ってきた。最近その変化の中で最も目立ったのは中国チームの注目すべき成長だ。今年の大会に参加した4チームのうち3チームが中国チームで、清華大学から2チーム、浙江大学から1チームが出場した。残り1チームは米国のテキサス大学オースティン校だが、米国人教授が率いるこのチームの研究員はほとんどが中国人で、中国製ヒューマノイドロボットを無料で支援されて大会に参加している。言い換えれば2025年ロボカップのヒューマノイドアダルトサイズリーグはすべて中国製ヒューマノイドだった。これまで出場した各国の個性あふれる多様なスタイルのヒューマノイドはみんなどこに消えたのか。なぜこうした結果になったのか、この結果の原因は何だろうか。
◇「製造2025」叫んだ中国、ロボット技術研究加速
その答は筆者が最近「2025平和オデッセイ」の旅に参加して目撃した中国の科学技術崛起にあった。2015年5月、中国は先端製造業中心の産業近代化を目標とする「製造2025」を宣布し、ロボット、AI、5G、半導体、新エネルギー車、バイオ、航空宇宙、先端素材など10大戦略産業の育成を明らかにした。すると米国の第1次トランプ政権はこれを単純な経済問題ではなく国家安全保障に対する脅威とみて2018年に中国と貿易戦争を始めた。中国製品に対する関税賦課とともに先端半導体輸出制限、ファーウェイをはじめとする中国技術企業に対する遮断などを断行した。いわゆる技術デカップリングが始まったのだ。米国のこのようなデカップリングは結果的に中国の技術崛起を加速した。
平和オデッセイ2025の旅をともにすることになった時、確認したかった。いま中国内で本当にどんなことが起きているのかを。今回の平和オデッセイの旅は上海から始まり浙江省まで続き中国の人工知能とロボット企業、大学を訪問する日程であふれた。その中で最も記憶に残っているのがロボットスタートアップのディープロボティクスだ。ここの主力は四足ロボットで、よく見られるロボット犬のような形だ。伝統的な四足との違いがあるならば、つま先に車輪を装着し走行と歩行を同時に実現できる形態である点だ。
◇四輪四足先に開発したスイスより商用化早く
ディープロボティクスの四輪四足ロボット「リンクスM20」は平和オデッセイ一行に平坦ではない険しい場所を走り階段を上るなどの姿を見せた。彼らの速く安定した駆動は一行に感嘆の声を上げさせるのに十分だった。このように走行と歩行を同時に具現する四輪四足ロボットがディープロボティクスだけの固有な技術かというと、そうではない。代表的に比較対象になり得るのがスイス連邦工科大学チューリッヒ校にあるロボティック・システムズ・ラボが開発した「アニマル」だ。アニマルの最初のプロトタイプが完成したのは2015年で、時期的にもディープロボティクスの四輪四足より早い。それでも筆者が恐れを感じながら注目した部分は、ディープロボティクスはすでに商用化に入っていた点だった。筆者はまだアニマルが商用化されたという話を聞いたことがない。
AIロボットも中国の天下…「2050年には人間のW杯優勝チーム破る」(2)
この記事を読んで…