20日、慶尚南道山清郡生比良面上能村(センビリャンミョン・サンヌンチョン)の一部が大雨による土砂崩れで崩れ落ちた。土砂とともに家が流れ、がれきだけが残った。[写真 ニュース1]
前日に亡くなった70代夫婦が営んでいた韓牛農場は、畜舎の跡形すら見つけられなかった。事故の瞬間を目撃した住民のチョン・ギホさん(61)は「兄夫婦と一緒に小石などを片付けて水路を開ける作業をしていたが、私が村に下りていったところ、変圧器が爆発する音がした」と語り、「振り返ると、岩塊と土砂が兄夫婦のいた畜舎を一瞬で襲った」と話した。
老夫婦の農場近く食堂の店主の20代の娘も土砂崩れで命を落とした。村の住民は「母親が町に買い物に出かけている間、娘だけがそのような目に遭った」と嘆いた。
20日、中央災害安全対策本部によると、16日から全国的に降り続いた豪雨で17人が死亡、11人が行方不明となった(18時時点)。全国15市・道、95市・郡・区で9782世帯、1万3492人が避難した。道路浸水や河川施設の崩壊など公共施設への被害は1999件、建物・農地の浸水など私有施設の被害は2238件に達している。
特に、10人の死者が発生した山清は、豪雨で流れ込んだ土砂と増水した川のため道路が各所で寸断され、停電・通信障害まで発生し、事実上「孤立無援」となった場所が多かった。山清は16日からの累積降水量が793.5ミリに達した。これは昨年の山清郡の年間降水量(1513.5ミリ)の半分を上回る。郡民のムンさん(60代)は「春には火事で大変だったのに、夏には雨で大騒ぎだ。怖くてどうやって生きていけばいいのか」と語った。
20日午前9時30分ごろ、前日に土砂崩れで2人が亡くなった山清邑内里(ネリ)に入ったが、村は空っぽで静まり返っていた。村の中腹には、外壁が水流で丸ごと剥がれ落ちたように内部が丸見えの2階建ての家があった。村長のカン・ヨンホさん(63)は「さらなる被害が心配で、住民が全員避難し、今は空っぽだ」とし、「50年間ここで暮らしているが、これほどの雨は初めてだ」と話した。
山清郡丹城面(タンソンミョン)のある村では、19日午後5時ごろ、突然山が崩れ、住民16人と観光客など34人が孤立した。土砂崩れで流れ込んだ岩と土砂が道を塞ぎ、水が膝まで上がる状況で、消防隊員たちは6時間にかけて全員を救出した。
「家が流された」韓国山清・加平などで極限の大雨…5日間で死者・行方不明者28人(2)
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