韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が10日に開かれた初のNSC会議で魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長と対話している。魏氏が韓米安保室長協議などを終えて米国から帰国した翌日のことだ。[写真 韓国大統領室]
魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長は13日、中央日報の電話取材に対して「李在明(イ・ジェミョン)政府で戦作権協議を新たに始めたことはない」とし「戦作権イシューは対米関税・安保交渉のカードでもない」と述べた。これに先立ち、魏氏は9日訪米を終えた後の記者懇談会で「(戦作権還収は)継続している長期的懸案」としながら「まだ安保協議に上がってきてはいない」と線を引いた。その後も一部メディアが「戦作権転換実務協議を始めた」と伝えると再度反論した。
魏氏のこの日の発言には政界の論争も影響を及ぼした。親明派の核心、金宇栄(キム・ウヨン)共に民主党議員は11日のラジオインタビューで司会者からの「戦作権転換問題も韓米間の協議の対象なのか」という質問に「それなりのイシューは水面上に引き上げなくてはならない」とし、同じ党の文振碩(ムン・ジンソク)院内首席副代表も「(戦作権転換が)国家の利益に役に立つのであれば法改正も可能」と話した。すると野党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)前代表は12日、「戦作権転換を推進することは在韓米軍撤退につながりうる」とし「李在明政府は国民の同意を得なくてはならない」と指摘した。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府以降、韓米間の長期的懸案である「戦作権転換」が政治的争点として復活し、政府からは「あきれる」という反応が出た。大統領室高位関係者は「何の実体もないのに野党有力政治家や国会議員が次々と発言して平地風波が起こった」とした。
大統領室が特に懸念しているのは韓国国内の「戦作権転換」賛否議論が今後の韓米交渉に悪影響を及ぼす恐れがある点だ。大統領室関係者は「波紋が良くない方向に拡大している」とし「米国との関税・安保交渉はとても重要なことなので、魏氏が直接すべてコントロールしている。当然、別ルートの新たな協議もない」と強調した。
それでも論争が大きくなったのは在韓米軍の役割調整を示唆してきたトランプ氏が最近防衛費問題に言及しながら安保・通商「パッケージディール」を強く推進しているためだ。交渉の展開により、戦作権転換イシューが浮上する可能性を排除することができない状況だ。
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