昨年7月3日、中国の習近平国家主席(左)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)がカザフスタン・アスタナで会談に先立ち握手をしている。[ロシア・クレムリン宮公式サイト キャプチャー]
習氏はこの電話会談でプーチン氏と中東情勢を議論して停戦や民間人の保護、対話の再開、強大国の介入自制などを求めたと国営新華通信は伝えた。プーチン氏は「イスラエルがイランの核施設を攻撃したのは非常に危険で、衝突の激化は双方の利益にも合致しない」と話した。
習氏はまず「停戦が急務」とし「紛争当事者、特にイスラエルは早急に停戦を行って状況が悪化するのを防ぎ、戦争が他の地域に拡大することを阻止しなくてはならない」と主張した。
また「民間人の安全を保障することが最も重要だ」とし「衝突当事者は国際法を厳格に順守するべきで、罪のない民間人が被害を受けないようにしなければならない。第三国の国民が避難のために便宜を提供するべきだ」と強調した。
米国を狙って、イスラエル支援をしないように自制を要求したりもした。習氏は「国際社会、特に衝突当事者に特別な影響を及ぼす強大国(米国)は事態沈静化のために努力するべきで、相反した行動を取るべきではない」と強調した。
タス、RIAノーボスチ通信によると、クレムリン宮(ロシア大統領府)のユーリ・ウシャコフ外交政策補佐官は、今回の電話会談が友好的雰囲気の中で1時間にわたり主に中東地域の緊張状況に焦点を置いて行われたと明らかにした。ウシャコフ氏は「両者の立場は似ていて、イスラエルの国連憲章と国際法規範を違反する行動を強く糾弾する」と強調した後、両首脳が緊張緩和の必要性で意見を一致させたと伝えた。
特に、イラン核プログラムに対するイスラエルと西側の懸念を軍事的手段では解決することはできず、外交的に解決するべきだという共感があったとウシャコフ氏は説明した。
あわせて「プーチン大統領は、必要であればイスラエルとイランの紛争を仲裁する準備ができたと確認した」とし「習主席はそのような仲裁努力が現在の急激な状況を緩和することに寄与できるとして支持した」と明らかにした。また、プーチン氏と習氏は中東情勢関連の対話と情報を交換するなど今後も緊密に協力することにしたとウシャコフ氏は付け加えた。
さらにプーチン氏の訪中日程も公開された。ウシャコフ氏はプーチン氏が8月31日~9月3日に中国天津で開かれる上海協力機構(SCO)首脳会議の参加のために中国を訪問して習氏と会う予定だと明らかにした。習氏はロシアの第2次世界大戦勝利記念日に合わせて先月7~10日にロシアを訪問していた。プーチン氏の訪中は昨年5月以降、約1年3カ月ぶりだ。
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