北朝鮮中央通信は昨年9月13日、金正恩国務委員長が核兵器研究所と武器級核物質生産施設を現地指導し、武器級核物質の生産に総力を集中して飛躍的な成果を出すよう指示したと報じた。 [朝鮮中央=聯合ニュース]
12日の共同通信によると、米ミドルベリー国際研究所のジェフリー・ルイス教授が民間衛星サービス「プラネット・ラボ」が4月に撮影した衛星写真を根拠にこのように明らかにした。
IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は9日(現地時間)の定期理事会報告で、新しく建設中の施設は平壌(ピョンヤン)近郊の降仙(カンソン)の核施設と似た特徴がみられると明らかにした。
ルイス教授は、新規核施設にはウラン濃縮用遠心分離機が設置されたと推定される中央ホールがあり、周辺に事務所と支援施設が配置された、と説明した。
また、2002年に建設中だった降仙の核施設写真と比較すると配置と規模が似ていると伝えた。
降仙の核団地は核爆弾の燃料の一つ、高濃縮ウラン(HEU)生産に特化した施設であり、該当設備で年間150キロほどの武器級HEUを生産できると評価された。
ルイス教授は北朝鮮が遠心分離機の配置を効率化し、施設を拡張せずに生産性を高めているという見方も示した。
北朝鮮メディアは昨年9月と今年1月、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が核兵器研究所と核物質生産施設を視察したと報道したが、ルイス教授は昨年9月は降仙、今年1月は寧辺と考えられると主張した。
これに関しては2カ所とも寧辺だったとみる日本の研究者もいて、場所を特定できない状況だと、共同通信は伝えた。
北朝鮮メディアは当時、施設内部の写真を公開したが、場所は具体的に明らかにしなかった。
北朝鮮は2019年のハノイ朝米首脳会談の決裂以降、寧辺核施設内の原子炉を再稼働し、核兵器の原料プルトニウムを再処理したりウランを濃縮したりするなど核物質生産を継続していると推定されている。
新しく建設中の施設も核物質生産と関係があるとみられる。金委員長が1月、「武器級核物質生産を増やすべき」と指示したことに関連する動向とみられる。すでに金委員長が視察した施設の一つである可能性も提起される。
これに関連し韓国政府は北朝鮮の動向を綿密に観察中であり、北朝鮮は非核化対話に呼応するべきだと指摘した。
韓国の外交部と統一部は「政府は米国など友好国との緊密な連携の下、北の核施設および核活動動向を注視している」とし「北の核活動は多くの国連安全保障理事会決議を明白に違反し、国際平和・安全保障と不拡散体制に対する挑戦」と明らかにした。続いて「北は一切の核活動を即刻中断し、非核化と対話の道に復帰することを促す」と強調した。
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