グーグルの日常ＡＩ拡散戦略は核心製品である検索にも適用される。グーグルはこの日、これまでよりさらに強化されたＡＩ検索機能である「ＡＩモード」を発表した。ＡＩモードは推論能力、テキストから動画まで多様なデータをリアルタイムで処理できるマルチモーダル機能を基に、ユーザーに深みある回答を提供する。会場では試着機能の「ｔｒｙ　ｉｔ　ｏｎ」が最も大きな反応を得た。グーグルに自分の写真をアップロードした後、希望するスタイルの服を検索してクリックすれば写真にその服を自然に着せる機能だ。

◇グーグル「より多くの人にＡＩの恩恵」…ビッグテックのＡＩ主導権競争加熱


実際に体験ブースで携帯電話のカメラで記者の全身写真を撮ってアップロードした後、グーグル検索で探したワンピースを選択した。すると３秒後には記者のサイズを考慮して服を着せた自然なＡＩ合成写真が出てきた。グーグルはこの日から米国でＡＩモードサービスを始め、近く商品購入にまでつなげるエージェント機能も追加する。


ＡＩモードでは質問をいくつかの下位主題に細分化して同時に検索を進める「クエリーファンアウト」技法が使われる。例えば「土曜日のレッズ戦で下段席の安いチケットを２枚探して」と要請すればＡＩが数百個のサイトからリアルタイムで価格と空席情報を確認してユーザーに提示する方式だ。これに加えてグーグルはリアルタイムでカメラ画面をＡＩと共有して質問をやり取りする「サーチライブ」機能も出した。

単純な動画ＡＩを超え映画まで制作できるＡＩツール「フロー」もこの日初めて公開した。グーグルの最新動画ＡＩモデル「Ｖｅｏ３」とイメージＡＩモデル「イマージェン４」を活用できる。Ｖｅｏ３では動画ＡＩで初めて人とキャラクターの対話音声まで生成が可能になった。これまでのＶｅｏ２と他社の動画ＡＩは効果音やバックミュージック挿入程度だけ可能だった。プロンプトを入力して最後のカットの後に追加で２～３秒を付け加えられる機能も搭載した。

これまでグーグルはオープンＡＩなどと比較してＡＩモデル開発速度が遅いという批判を受けてきた。だがハードウエア基盤がなくＡＩモデルだけ持つオープンＡＩ（チャットＧＰＴ）とメタ、ハードウエア競争力はあるがＡＩ技術力が不足するアップルの間でグーグルはアンドロイドＯＳ基盤のハードウエアとソフトウエアを結合して出せるシナジーで機会を狙っている。ピチャイＣＥＯは「ＡＩがもたらす恩恵をできるだけ多くの人が手にできるようにするのは今世代の開発者、技術構築者、問題解決者の手にかかっている」と話した。