トランプ米大統領が5日(現地時間)、医薬品製造促進に関する行政命令を見せながら記者の質問に答えている。 [AFP=聯合ニュース]
ロイター通信は「トランプ大統領が計画を強行するならば、米国は2000億ドル(約28兆円)以上の処方薬を輸入しているだけに製薬業界に大きな打撃があるだろう」と報道した。トランプ大統領就任後にイーライリリー、メルク(MSD)、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ノバルティス、ロシュ、アッヴィ、アムジェンなど世界的製薬会社はすでに米国内生産基地拡大に向けた投資を相次いで発表し対策を準備してきた。
韓国の場合、対米輸出が多い新薬開発会社や委託開発生産(CDMO)企業がトランプ関税の影響圏に入る恐れがある。韓国バイオ協会バイオ経済研究センターによると、昨年基準で米国が韓国から輸入する医薬品規模は39億8000万ドルに達する。
CDMO企業のサムスンバイオロジックスは仁川(インチョン)の松島(ソンド)に生産施設を置き、世界の大手製薬会社20社のうち17社に医薬品を生産・供給している。昨年の米国売り上げ割合は25.8%で、欧州の65.2%に次いで高い。医薬品原材料中心に委託開発生産する企業で直接的な関税の影響は限定的だろうという分析が出ている。信栄(シンヨン)証券のチョン・ユギョン研究員は「原料医薬品に関税が課されても最終薬価の10%未満(新薬基準)だろう」と明らかにした。サムスンバイオロジックス関係者は「状況を鋭意注視している」と話した。会社は米国内での生産施設確保を検討したがほとんどの施設が老朽しており適当な対象を見つけられなかったという。
セルトリオンは独自開発したバイオ後続品と新薬である「レムシマ」「ジムフェントラ」などを欧米などに輸出しているが、在庫をあらかじめ確保しておいたという。セルトリオン関係者は「ひとまず米国に送った9カ月分の在庫品で営業する。中長期的には原料医薬品中心に輸出し、パートナーを通じて製造・供給する方式を拡大するだろう」とした。
米国でてんかん治療剤のセノバメイト(米国名・エクスコプリ)を販売しているSKバイオファームは現地生産を推進している。現在米国内の生産施設で医薬品生産が可能で、6カ月分の医薬品在庫も米国内に確保していると同社は明らかにした。韓国政府も対応に出た。保健福祉部は米国政府に「韓米間の医薬品貿易は相互の信頼に基づいた戦略的協力。米国の国家安全保障に脅威にならない」という反対意見書を4日に提出したと明らかにした。
この記事を読んで…