先月23日、江原道江陵市注文津邑(カンウォンド・カンヌンシ・チュムンジンウプ)の注文津港にイカ漁のときに使う電球をぶら下げたまま停泊している漁船。パク・ジノ記者
申請者は増えるのに選ばれる漁船は予算問題で少ないほうだ。今年の場合、近海網漁船は3隻が選ばれ、沿岸網漁船は5隻の計画だ。やっとの思いで減隻対象に選ばれても支援金を潤沢に受け取ることができるような状況ではない。
減隻対象になれば鑑定評価にともなう船舶の代金や廃業支援金などが支給される。廃業支援金は平年収益額3年分の範囲で決まる。イカの場合、これまで漁獲量が大幅に減少したので廃業支援金も大きくない見通しだ。
それでも漁業人の申請が増加するのはイカ漁獲量が増える兆しが見られないからだ。江原道グローバル本部の週間漁獲動向によると、昨年江原東海岸で獲れたイカは852トンにすぎない。2020年8652トンが獲れたことと比較すると10分の1水準だ。2021年には6035トン、2022年3504トン、2023年1365トンと、漁獲量は年々減少している。
高城郡(コソングン)近海網漁協会のユン・ギョンシク会長(63)は「今は操業を中断することが損失をあまり受けない状況まで来た」とし「減隻事業に選ばれなくても借金をして続けなければならない漁業人が多い。一日でもはやく減隻対象に選ばれてこれまで増えた借金の一部でも返せれば良いだろう」と表情を曇らせた。
◇東海表層水温18.84度…57年間の観測で最高値
イカ漁獲量が徐々に減少しているのは気候変動の影響が最も大きい。韓国国立水産科学院によると、最近57年間(1968~2024年)東海の年間平均表層水温は2.03度上昇した。これは同じ期間、全地球の海洋表層水温上昇幅0.74度に比べて2.7倍高い。昨年東海表層水温は18.84度で57年間観測された水温のうち最も高いことが分かった。
国立水産科学院のユン・ソクジン博士は「水温上昇でイカが適正生息水温帯(12~18度)を探して北上したり外海に移動して東海岸での資源密度が減少した」とし「イカは回遊性魚種で産卵のために南下するが、回遊経路(北朝鮮水域)で過度な漁獲活動をする場合、資源再生産と個体群のの維持に相当な否定的影響を及ぼしかねない」と説明した。
一方、漁獲量の急減で減隻を申請した漁民のために国民の力の李亮寿(イ・ヤンス)国会議員が特別廃業支援金を支給できる「近海漁業構造改善および支援法」の改正案を昨年発議した状態だ。
改正案には減隻対象者に選ばれた漁業人の平年収益額が一定基準額に達せず、該当漁業人が主に捕獲する魚種が漁獲量急減基準要件に該当する場合、特別廃業支援金を支給できるようにする内容が含まれている。
「ロシア近海までイカがいなくなった」…韓国東海漁民、泣く泣く船を売却(1)
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