2014年5月、珍島(チンド)海上の清海鎮海運「セウォル号」旅客船事故現場で、官民軍合同捜索作業中のバージ船に行方不明の家族が制作した「あなたは私たちの子どもの最後の希望です」と書かれた横断幕が設置されている。 青瓦台写真記者団
木浦(モクポ)地方海洋安全審判院(木浦海審)特別審判部は事故発生から10年7カ月後の昨年11月、「旅客船セウォル号転覆事件」を裁決したと14日、明らかにした。
一般事件・事故が裁判所の判決を受けるように、海洋船舶事故は海洋安全審判院の審判を受けなければならない。この時に作成された裁決書は判決文と似た性格を持つ。
聯合ニュースが入手した裁決書によると、木浦海審はセウォル号が潜水艦の衝突など外部要因により沈没したと疑う「外力説」は完全に排除した。
審判部は「船舶引き揚げ後の調査を通じて確認された結果をみると、セウォル号船体の損傷部位などに(急激な)旋回などを発生させた外力の跡と断定できるものはみられなかった」とし「外力の実体に関する妥当な証拠を確認できなかったため原因の検討に含めなかった」と説明した。
外力説を排除した審判部は、セウォル号の急激な旋回は操舵手のミスというより操舵機が非正常的な作動をして発生したと判断した。
特に操舵機2番ポンプのソレノイドバルブが固着しながら操舵機が非正常的に作動したという2018年のセウォル号船体調査委員会の見解が妥当と見なした。
当時のセウォル号は復原性が顕著に低下した状態だったと審判部は説明した。旅客の定員を増やすために船体を増改築しながら重心が高まったからだった。復原性が低い船舶なら貨物を減らすべきだが、セウォル号はむしろ「復原性計算書」で許容した貨物量1077トンの倍の2214トンの貨物を積んでいたことが調査で確認された。
さらにまともに固縛されていない貨物が一方に片寄って旋回と船体の傾きが深刻になり、海水までが流入して復原性を喪失したというのが、審判部の結論だった。
セウォル号の乗船者476人のうち304人が死亡または行方不明となる大規模な人命被害が発生したのは、船員が積極的な救護措置を取らなかったためだと判断した。
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