4日米国ニューヨークのアップルストアの前を通行人たちが通り過ぎる様子。[写真 EPA=聯合ニュース]
iPhoneの値上げが避けられない中で、米国から関税46%を課されたベトナムで米国販売用スマートフォンを生産するサムスン電子の対応戦略が注目される。
ロイターとウォール・ストリート・ジャーナルなど外信によると、相互関税適用時にアップルのiPhone16の最上位モデルであるiPhone16ProMaxの米国内販売価格は30~40%ほど上がり最高2300ドル(約33万6759円)に達する見通しだ。現在は1599ドルだ。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、「アップルはiPhone価格を引き上げなければマージンが劇的に減るだろう。アップルが米国に生産施設を移すとしても数年がかかり、コストも少なくないだろう」とローゼンブラットのアナリスト、バートン・クロケット氏の話を引用して分析した。
アプリケーションプロセッサ(AP)は台湾、ディスプレーは韓国、バッテリーは中国から調達するなど、輸入部品に対する関税だけでなく組み立てコストもさらにかかる恐れがあるためだ。米国での組み立ての可能性も低い。中国ではスマートフォン1台当たりの組み立てコストは30ドルだが、米国では300ドルまで上昇する可能性がある。こうした見通しにアップルの株価は相互関税発表当日に9.25%下落し、その翌日も7.29%下がった。
サムスン電子も関税の影響圏にあるが、アップルに比べて打撃は少なくなりそうだ。ロイターは「(ベトナムや韓国など)アジア諸国の関税は中国より低いためサムスン電子が有利な立場になるかもしれない」と予想する。
サムスン電子の最新プレミアムモデルの「ギャラクシーS25ウルトラ」の米国価格は1299ドルで、アップルのiPhone16Pro Maxより安い。関税を適用してもiPhoneより消費者販売価格が低くなる可能性もある。カウンターポイントリサーチによると昨年10-12月期に米国のスマートフォン市場でサムスン電子のシェアは18%で、1位で65%のアップルに続く2位だ。
米国以外の市場ではアップルとサムスンの激戦がさらに激しくなるものとみられる。価格上昇により北米でアップルの需要が減る場合、アップルが中国製iPhoneを販売するために第3の市場をさらに攻略するとみられるためだ。業界関係者は「特に欧州はサムスン電子とアップルが追いつ追われつしているが、最近中国のスマートフォンも急速に勢いを伸ばしており、米国の関税により競争がさらに激しくなるかもしれない」と予想した。昨年7-9月期に欧州のスマートフォン市場で2位の24%だったアップルは、iPhone16シリーズの人気に力づけられ10-12月期に31%で1位に上がった。同じ期間にサムスン電子は32%の1位から28%で2位に押し出された。
カギはトランプ政権が自国企業であるアップルに関税免除の優遇を与えるのかだ。スマートフォンは必需品に近く、価格が急騰すれば米国人消費者の不満が急増する恐れがある。トランプ大統領は第1次政権当時にアップルの一部中国生産製品に対して関税を免除・猶予していた。
今回もアップルが関税を回避できるならばサムスン電子は劣勢に置かれることになる。業界ではサムスン電子が多角化してきた海外生産基地を活用して関税負担を減らすとみる。サムスン電子はベトナムでスマートフォンの約半分を生産し、米国が関税26%を課すインドで30%ほど生産する。残りの約20%を韓国(関税25%)の亀尾工場とブラジル(10%)、インドネシア(32%)などで製造している。サムスン電子は今後の関税対策について、「まだ具体的に決まった事案はない」と明らかにしている。
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