28日午後、中国を訪問していた李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子会長が帰国し、金浦(キンポ)空港で取材陣の質問を受けている。 聯合ニュース
財界によると、22日から1週間続いた李会長の中国出張には全永鉉(チョン・ヨンヒョン)サムスン電子半導体部門長(副会長)、イ・チョン・サムスンディスプレイ社長が同行した。サムスン関係者は「半導体、ディスプレー経営陣が李会長と共に中国内の潜在顧客とミーティングをした」と明らかにした。李会長らは22日に北京シャオミ工場、24日に深圳BYD工場などを訪問したが、非公開で行われた中国企業最高経営陣との接触も多かったという。
◆半導体・ディスプレーともに中国に大型生産基地
半導体・ディスプレーはサムスングループの核心事業であり、1990年代から中国現地に大規模な生産基地を保有している。サムスン電子半導体は2014年から中国西安でNAND型フラッシュメモリー工場を稼働していて、サムスンディスプレイは天津と東莞で中小型有機発光ダイオード(OLED)モジュールをそれぞれ1999年と2004年から生産している。しかし最近は米国が中国産部品・製品に関税をかけているため、サムスンが巨額投資した中国内の生産施設の今後の運営について悩んでいる状況だ。
◆中国企業との協力に成長の突破口
これら事業の責任者が李会長の中国出張に総出動しただけに、サムスンが今後、中国企業との協力を拡大する可能性もある。中国で生産して米国に輸出するのは難しくなっているが、中国内の需用にサムスンが供給するのは可能であるからだ。
特に半導体、ディスプレーが共に入る電気自動車・電装市場にサムスンは注目している。中国が巨大な市場であるだけにサムスン電子と系列会社の業績を一度に改善することができる。昨年、中国内の電気自動車販売台数が48.3%増え、急成長している状況も魅力的な要素だ。サムスンの関係者は「中国電気自動車企業は毎年著しく成長していて、欧州市場にもすでにかなり浸透している」とし「韓国には危機であると同時に機会になるだろう」と話した。自動車企業には危機だが、サムスンのような電装部品企業には機会になるということだ。
ディスプレーの場合、中国の技術力が急速に追撃しているが、OLEDでは韓国の技術力が優位であるだけにサムスンはOLEDでプレミアム電気自動車市場を攻略するとみられる。サムスンディスプレイは電装分野でOLEDディスプレーを通じて車両用クラスター、センターインフォテイメントシステムなど高解像度デジタルインターフェースを供給することができる。市場調査会社オムディアによると、昨年、全世界の車両用プレミアムディスプレー市場で韓国のシェアは32.5%で初めて1位になった。
中国政府が最近、「以旧換新」政策で内需浮揚に注力する点もサムスンには追い風だ。中国政府は昨年下半期から市中の流動性を拡大するため昨年の倍の補助金3000億元(約6兆円)を配分した。新しい電気自動車・スマートフォン購買に補助金を支援していて、今年は電気自動車市場の成長が期待される。
◆会長が動いて忙しくなった経営陣
李会長は今年2月から行われたサムスングループ役員教育で「必死の覚悟で危機に対処してほしい」と注文した。その後、自ら経営陣を率いて中国を訪問したことで、業界は今後の具体的な成果を期待している。
全永鉉(チョン・ヨンヒョン)副会長が今回の中国出張に同行した点も注目される。中国半導体の技術自立水準が高まり、国内半導体業界が脅かされる中、販路開拓のためにトップが動いたのだ。全副会長は昨年5月にも訪韓した中国の李強首相に李会長と共に会った。19日に開かれた株主総会で全副会長は中国半導体について「ローエンド(低価格)製品を中心に徐々に市場に進入しているが、我々が先端ノードを速いペースで開発すればある程度防御できるだろう」と述べた。
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