トランプ米大統領が来月３日からすべての外国産自動車に２５％の関税を課すと発表した中、各国が対応が分かれている。カナダは報復関税を予告した一方、当初は報復の意思を表していたメキシコと欧州連合（ＥＵ）は米国との交渉に路線に変更した。

カナダのカーニー首相は２７日（現地時間）、トランプ政権の自動車関税に「我々の労働者と国を守るためにいかなる選択肢も排除しない」とし「米国の関税に対抗して報復措置を取る」と述べた。続いて「経済統合と安全保障および軍事協力を土台にした米国との長い関係はもう終わった」と話した。

◆カナダは「報復」　メキシコは「交渉」


トランプ政権はカナダ産とメキシコ産の製品に２５％の全面関税を課したが、米国・カナダ・メキシコ貿易協定（ＵＳＭＣＡ）適用品目に対しては猶予した。しかしカナダの主力輸出品目のアルミニウムと鉄鋼は関税を避けることができず、直撃弾を受けた。カナダは米国産製品に計６００億カナダドル（約６兆３２００億円）の関税で対抗した。ロイター通信は「カナダが石油、カリウムなどに消費税を課すことが選択肢となる可能性がある」と伝えた。

ただ、具体的な報復措置内容は来月２日にトランプ大統領が予告した相互関税が発表された後に出てくると予想される。カーニー首相は「米国が比較的速いペースで措置を取っていて、一つ一つに対応するのは意味がない」と説明した。

カナダのように報復関税を予告していたメキシコは最近また交渉に旋回中だ。メキシコのシェインバウム大統領はこの日の記者会見で米国の自動車関税に言及せず、「メキシコは米国と活発に協議していて、この程度の意思疎通をする国は私たちが唯一だと考える」と述べた。

メキシコ政府は米国との実務者会談で自動車部品関税交渉を進行中だ。メキシコのエブラルド経済相はラトニック米商務長官とこれまで６回以上会い、自動車部品の関税が免除されるよう交渉中と明らかにした。

ただ、メキシコも米国の相互関税措置以降、追加対応の可能性を残している状態だ。シェインバウム大統領は「４月２日ごろ、米国だけでなく全世界に向けて私たちの戦略を発表できるだろう」と伝えた。

◆欧州が手を差し出したが…「交渉はない」

欧州連合（ＥＵ）は来月１日から対米報復関税を施行すると発表したが、これを延期した。ＥＵはその間、ラトニック米商務長官らと会って交渉しようとした。しかし米国は「来月の相互関税発表前まではＥＵとの交渉はない」という立場を最近ＥＵ執行委員会に伝えたと、ロイター通信が報じた。欧州との交渉を米国が拒否したのだ。

さらに２６日、トランプ大統領の自動車関税措置までが加わり、ＥＵの悩みは深まっている。トランプ大統領がＥＵの付加価値税を取り上げて批判したため、相互関税の主なターゲットになるという懸念もある。

欧州委員会のオロフ・ギル貿易担当報道官は「交渉で米国とＥＵの双方にプラスになる解決策を見いだすのが最優先目標」とし「望む結果が出なければ断固として比例的対応をとる」と述べた。

トランプ大統領も各国の動きに注目している。トランプ大統領はトゥルース・ソーシャルで「ＥＵがカナダと協力して米国に経済的被害を与えようとすれば、計画よりも大きな規模の関税を課す」と警告した。