現代自動車グループの米ジョージア州エラベルの新工場「メタプラントアメリカ(HMGMA)」全景 [写真 現代自動車グループ]
現代車・起亜、韓国GMなど米国への輸出が多い自動車企業は4月3日から関税の打撃を受けることになった。日本経済新聞はこの日、野村証券の資料を引用した報道で「輸入する完成車すべてに関税を課した場合、年間の関税負担は約510億ドル(約7兆7000億円)増える」と伝えた。
米ジョージア州エラベルの新工場「メタプラントアメリカ(HMGMA)」は26日(現地時間)、竣工式を開いて本格的な生産に入った。竣工式で鄭義宣(チョン・ウィソン)会長は「現代車グループはただ工場を建設するためにここに来たのではなく、根を下ろすために来た」と現地化の意志を強調した。ロボットと人工知能(AI)技術がすべての生産過程に適用された最先端工場だが、この工場の最大生産能力は年30万台で、昨年の韓国輸出物量(99万5477台)の30%だ。現代車グループが今後4年間に米国に投資する210億ドルのうち86億ドルをHMGMAの生産能力50万台拡大、従来の米国工場の現代化などに投入すると明らかにしたが、工場の増設には1年以上かかる。
車種別に見ても当分は関税の影響を避けるのが難しい。米国で昨年販売された現代車・起亜の車種のうちアバンテ、パリセード、ソナタなど人気車種はすべて韓国から輸出された。現代車アラバマ工場とHMGMAではまだ生産計画がない車種だ。
国民大のクォン・ヨンジュ自動車運送デザイン学科教授は「一部の車種は韓国産の代替が難しいため短期的に損害が生じるしかない」とし「現地工場に人気車種生産ラインを構築し、どれほど早く年産120万台体制を整えるかがカギになるだろう」という見方を示した。
自動車部品会社の懸念は強い。韓国貿易協会によると、昨年、自動車部品輸出額188億900万ドルの37.6%に相当する70億7200万ドル分が米国に輸出されたが、これからはここに25%の関税がかかる。
規模が小さい企業であるほど打撃は大きいと予想される。韓国自動車研究院によると、国内の自動車部品会社は1万5239社にのぼる。大徳大のイ・ホグン未来自動車学科教授は「米国に輸出する1次協力会社が関税で打撃を受ければ2、3次協力会社も被害を受ける」と話した。
現代車・起亜および他の完成車米国法人に製品を納品する現代モービス(電装・モジュール)、現代トランシス(パワートレイン・シート)、現代ウィア(駆動システム)など系列部品会社も緊張している。ある系列会社の関係者は「我々の製品が納品される米国完成車企業が関税を転嫁するために契約条件を変えようと言ってこないか心配だ」と語った。
韓国GMはこれといった対策もない。韓国GMの昨年の生産・販売車49万9559台のうち米国輸出分は83.8%(41万8792台)にのぼる。関税がかかれば米国内で価格競争力が落ちるため「撤収説」までが浮上する。自動車業界の関係者は「労働組合が最近、米国本社を訪問したが、明確な解決策は聞けなかったと把握している」と伝えた。
韓国自動車研究院のイ・ハング諮問委員は「国内の雇用を守るという側面で政府が米国政府との交渉に積極的に臨む必要がある」と述べた。
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