米国の国旗[Pixabay]
米国防総省によると、ヘグセス国防長官は前日、ハワイの真珠湾ヒッカム統合基地で行った画像演説で、北朝鮮が2018年に米国に送還した55箱の遺骨を戦争捕虜・行方不明者調査局(DPAA)が分析した結果、100人目の米兵戦死者の身元を確認したと発表した。
今回身元が確認された米兵はオハイオ州カヤホガ郡出身のウィリアム・H・ホット陸軍中尉。
ヘグセス長官はDPAAのフォレンジック研究所を先ほど訪問したとし、「ホット中尉は朝鮮戦争当時、第7歩兵師団32歩兵連隊所属で、1950年12月1日に北朝鮮咸鏡南道長津湖の東側で戦死した」と伝えた。
北朝鮮が2018年に55箱の遺骨を返還することになったのは、同年にシンガポールで開かれたトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の第1回米朝首脳会談の合意に基づく。シンガポール首脳会談でトランプ大統領と金委員長は▼新たな朝米関係の樹立▼朝鮮半島平和体制の協力▼朝鮮半島非核化▼遺骨の発掘・送還--に合意した。
その後、北朝鮮は同年8月、米兵の遺骨501柱が入った55箱を送還した。遺骨の保存状態が良くなかったため分析に長い時間がかかったという。DPAAの法医学的な分析によると、55箱の中には501柱の遺骨があり、少なくとも250人に該当するというのが国防総省の説明だ。
翌年2月にベトナムのハノイで開かれたトランプ大統領と金委員長の2回目の米朝首脳会談が決裂した後、朝米間の米兵遺骨送還に関する対話は中断した。
1950年から3年間続いた韓国戦争で米軍の戦死者は約3万7000人にのぼる。
ヘグセス長官はDPAA当局者に「行方不明の我々の作戦人員に対する責任を果たそうとする献身と情熱は任務それ以上のものだ」とし「これは国家の神聖な義務」と賛辞を送った。
DPAAのジョン・バード科学分析局長は今回のホット中尉の身元確認について「55箱の中で100番目に身元が確認された軍人という歴史的な意味があり、米軍検視システムのDNA身元確認研究所が開発した新しく革新的なDNA検査方法を活用したという点で大きな意味がある」と話した。
バード局長によると、韓国戦争に参戦した米兵のうち7490人以上が行方不明状態であり、うち約5300人の遺骨は依然として北朝鮮にあるという。
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