サムスン電子平沢キャンパス全景。[写真 サムスン電子]
市場調査会社トレンドフォースによると、昨年10-12月期の世界のファウンドリー市場で台湾TSMCは67.1%を占めた。前四半期よりシェアが2.4ポイント上がった。2位のサムスン電子が8.1%、3位の中国SMICが5.5%、4位の台湾UMCが4.7%、5位の米グローバルファウンドリーズが4.6%と続いた。
1位のTSMCと2位のサムスン電子のシェア格差は55.6ポイントから59ポイントに広がり、2位のサムスン電子と3位のSMICの格差は3.1ポイントから2.6ポイントに縮まった。サムスン電子のシェアは前四半期より1ポイント下落した。
ファウンドリー上位10社の昨年10-12月期の売り上げは前四半期比9.9%増えた。しかしTSMCの独走にともなう錯視効果だ。TSMCの売り上げが14.1%増えただけで、SMICの売り上げは1.7%と小幅の増加にとどまり、サムスンは1.4%減、UMCは0.3%減とむしろ売り上げが減った。トレンドフォースは「ファウンドリー産業が二極化傾向を見せている。成熟工程の需要は鈍化したが、人工知能(AI)サーバーとスマートフォン用アプリケーションプロセッサ(AP)などに押された先端工程が高価格ウエハー出荷量を牽引した」と分析した。
TSMCは10日、1~2月の売り上げが前年同期比39.2%増え5533億台湾ドル(約2兆4885億ウォン)を記録したと明らかにした。半導体企業の株価や市場予測は一進一退を繰り返すが、AI用先端チップ需要は堅調で、これがすべてTSMCに集まる状況だ。このままならば1-3月期のファウンドリー市場でTSMCのシェアはさらに上がる可能性がある。
目に付くのは中国SMICの急浮上だ。8インチウエハーで旧型チップを主に生産するSMICは、先端半導体用12インチウエハーで容量を増やし平均販売単価(ASP)を引き上げたことがわかった。
SMICはファウンドリー市場で万年5位だったが、昨年1-3月期に米グローバルファウンドリーズを抜いて4位に上がり、4-6月期からは台湾UMCも抜いてファウンドリー3位の座を占めている。米国の輸出制裁により先端装備を導入することができないが、中国の旧型半導体生産増大の恩恵を受け昨年7-9月期の売り上げが前年同期比34%増加したおかげだ。
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