米証券市場が暴落した１０日（現地時間）、ホワイトハウスはドナルド・トランプ大統領の経済政策が長期的には経済に役立つとし、急きょ鎮火に乗り出した。

ホワイトハウス関係者はこの日、証券市場急落に関するコメントを求める記者団の質問に「株式市場の動物的な感覚と私たちが業界および業界リーダーから実質的に把握する内容の間には強い差がある」とし、「中・長期的に経済に及ぼす影響において前者に比べて後者の方が確実に意味がある」と述べた。第２次トランプ政権の関税政策で市場が動揺しても、結局は米国経済に一層大きな恩恵をもたらすという趣旨だ。


ホワイトハウス国家経済委員会（ＮＥＣ）のケビン・ハセット委員長もこの日ＣＮＢＣインタビューで「トランプ大統領の対中国・カナダ・メキシコ関税政策がすでに製造業と雇用を米国に戻す効果を出している」とし、米国景気に対する楽観論を展開した。また、ハセット委員長は「米国の減税政策が投資拡大と賃金上昇を導き、今年４～６月期からは経済が本格的に反騰するだろう」と期待を示した。


これに先立って、ニューヨーク証券市場の３大主要指数は同日、軒並み急落した。ダウ指数は前日比８９０．０１ポイント（－２．０８％）低い４１９１１．７１、大型株中心のスタンダード＆プアーズ（Ｓ＆Ｐ）５００指数は１５５．６４ポイント（－２．７％）低い５，６１４．５６、技術株中心のナスダック指数は７２７．９０ポイント（－４％）急落した１７，４６８．３３でそれぞれ取引を終えた。トランプ大統領が前日、ＦＯＸニュースとのインタビューで、景気低迷を甘受してでも関税政策を推し進めるという意思を示し、市場の不安感が高まった影響と分析される。

トランプ大統領の就任式（１月２０日）に出席した世界最高の富豪５人の個人資産も、７週間で２０９０億ドル（約３０兆７２１０億円）が消えたことが分かった。これは、ブルームバーグ通信が就任式直前の最後の取引日（１月１７日）基準の ブルームバーグ・ビリオネア指数と比較した結果だ。

トランプ大統領の最側近として浮上したテスラＣＥＯ（最高経営者）のイーロン・マスク氏の資産減少幅が１４８０億ドルで最も大きかった。マスク氏の財産の大半を占めるテスラの株価は、米大統領選挙後、一時９８％まで上昇したが、トランプ大統領の任期開始後、最長期間（７週間）の下落傾向が続いている。

就任式で、トランプ大統領の家族の後列に座ったアマゾン創立者のジェフ・ベゾス氏とメタＣＥＯのマーク・ザッカーバーグ氏の財産は、それぞれ２９０億ドルと５０億ドル減少したことが分かった。グーグルの共同創業者のセルゲイ・ブリン氏の資産も２２０億ドル、フランス最高の富豪のベルナール・アルノーＬＶＭＨ会長の財産も５０億ドル減少した。

ブルームバーグは「トランプ大統領の当選と就任の間に、Ｓ＆Ｐ５００指数は過去最高値を更新するなど世界最高の富豪にとって大きな好材料だった」とし、「しかし、連邦公務員の大規模な解雇と関税政策でトランプ大統領の２度目の任期が継続して市場収益率を引き上げるという期待がひっくり返った」と伝えた。