米空軍が予算節減のために退役させているA-10攻撃機 [写真 米空軍]
<1>米空軍、8%予算削減の衝撃に対応中
ヘグセス米国防長官は2月19日(以下、現地時間)、今後5年間にわたり毎年8%ずつ国防予算を削減する計画を用意するよう指示した。今年の米国防予算は8500億ドルと設定されたが、削減目標の8%は680億ドルとなる。
空軍戦力設計を担当するクンケル少将は2月26日、ハドソン研究所が主催したシンクタンク討論会で、削減は苦痛だが、費用削減措置を通じて最優先課題に対する追加予算支援を受けることを希望すると明らかにした。
クンケル少将は長官の指示を達成するための一つ方法が旧型航空機の退役を加速することだと述べた。続いて、現在空軍80年の歴史上いつよりも小さく戦力が老朽した状況で、こうした縮小を推進する余地が多くないと語った。そして空軍の最優先課題は本土防御、海外戦力投射、戦略的抑止だと強調した。クンケル少将は空軍がすべての努力を「8%節減」の一つとして検討するはずで、こうした優先順位のうち一つでも寄与しないすべてのものは再考されると話した。
クンケル少将は全世界にわたり迅速に武力を使用できる米空軍は今後の紛争でさらに重要になるはずだが、新型の戦闘機と爆撃機だけでは戦争で勝利するための空軍の運営はできないと主張した。現在、米空軍は第6世代戦闘機とこれに伴うシステムの次世代航空支配力(NGAD)開発を、高費用を減らす方法を再考するために保留している。クンケル少将はNGADが空軍にある場合とない場合に戦争がどう展開されるかを研究すれば、「NGADがある場合に戦闘がはるかによいとみられる」と話した。
クンケル少将は政府がNGADを推進しない場合、米空軍が戦闘に参加しても作戦リスクは高まるはずで、米空軍が設定したすべての戦闘目標を達成できないこともあると述べた。またNGADは依然として空軍戦力設計の重要な部分であり、戦闘の性格を根本的に良い方式に変化させると強調した。
<2>ドイツが注文した米国製武器の未来は
トランプ大統領のNATO(大西洋条約機構)脱退脅迫のような圧力ため、欧州で自主的に軍事力を再建しようとする動きが生じていることに関連し、長期的に米国防衛産業の対ドイツ武器販売が難しくなるかもしれないという専門家らの分析が出てきた。分析家らはドイツが米国に注文したF-35戦闘機、P-8Aポセイドン海上哨戒機、CH-47Fチヌーク大型ヘリコプター、パトリオット防空システム契約が維持されるかどうか意見を交わした。
F-35戦闘機についてはティールグループの首席分析家ガトラー氏は、ドイツが米国を信頼できないとして契約を取り消す可能性があると予想した。米国新安保シンクタンクセンターの大西洋横断安保プログラム研究員のタウンセンド氏は、ドイツには退役するトルネードに代わる他の選択肢がないためF-35の注文は維持されるという見方を示した。
ボーイングのCH-47F大型ヘリコプターについては競争機種も米ロッキードマーティンのCH-53Kだったため大部分は影響がないとみている。このほか、ドイツが大きく依存しているパトリオット対空防衛ミサイルも代替財がほとんどないため影響を受けないと予想した。
しかし分析家らは今後、米国のドイツ販売が難関に直面するということに同意した。ガトラー氏は次期首相として有力なフリードリヒ・メルツ氏の自主的な国防力強化は、米国が武器供給国の地位を喪失する状況につながるという見方を示した。ガトラー氏は今後、米国の約束があいまいな状態が継続する場合、欧州の安全保障者の役割を考慮し、米国の装備を好むことはないはずだと見なした。
タウンセンド氏はドイツが武器プログラムと再軍備推進を加速しようと保護貿易主義を強化し、特に欧州連合(EU)が主なプロジェクトで主導的な役割をすることを決める場合、米国市場進入制限や市場接近権完全喪失が生じることもあると予想した。
タウンセンド氏は短期的、中期的には米国が欧州より優位にあるだろうが、長期的に欧州産業界が挑戦に成功する場合、価格の側面で競争が激しくなるという見方を示した。また、米国は高価格で精巧なシステムを好む傾向があるが、これが常に正解とは限らないと話した。ポリティコは最近、EUが目標が明確で効率的な国防支出のために欧州独自の統合対空防御、縦深打撃能力、無人機、弾薬、ミサイルを支援するだろうと報じた。
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