トランプ大統領(左)とゼレンスキー大統領(右)
トランプ大統領はこの日、ホワイトハウスで開かれたゼレンスキー大統領との首脳会談後、ソーシャルメディアへの投稿を通じ「私はゼレンスキー大統領が平和に向けた準備ができていないと判断した」と明らかにした。続けて「彼は米国が大切に考える(ホワイトハウスの)オーバルオフィス(執務室)で米国を無視した。彼は平和に向けた準備ができればまた戻ってこられる」とした。
◇トランプ大統領「ゼレンスキー氏、平和準備できていない」
ゼレンスキー大統領はトランプ大統領との舌戦後ホワイトハウスを速やかに離れた。その後ソーシャルメディアに「(トランプ)大統領と(米)議会、米国国民のみなさんに感謝申し上げる。ウクライナは正しく持続的な平和が必要で、私たちはこのためにともに働いている」と投稿した。両国の首脳会談が終戦案に対する何の合意も残せないまま空転しウクライナ戦争終戦交渉は難航が予想される。
トランプ大統領とゼレンスキー大統領はこの日、首脳会談を本格的に始めるのに先立ち取材陣の前で簡単な対話をする時から衝突した。トランプ大統領はこの日締結する予定だった両国間の鉱物協定をめぐり「(ウクライナに対する)米国の大きな約束」と話した。続けて「本当に興奮する瞬間は銃撃が止まり(平和)協定を締めくくる瞬間になるだろう」としながらゼレンスキー大統領に終戦合意を圧迫した。トランプ大統領は「常に妥協しなければならず確実に彼も妥協しなければならないだろう」ともした。
これに対しゼレンスキー大統領は「単純な停戦交渉は受け入れることはできない。安全保障がなければそれは作動しないだろう」と強調した。ロシアが2014年にウクライナの領土であるクリミア半島を強制併合した後に締結された協定にもかかわらず、ロシアのプーチン大統領が2022年にウクライナを侵攻したとし「彼(プーチン)は協定を破った。われわれの国民を殺した」と話した。
続けて「この(鉱物協定)文書がウクライナの発展に一歩踏み出す契機になることを希望する。米国が何をする準備ができているのか議論したい」と話した。その上で「プーチンは殺人者でありテロリストだ。殺人者とわれわれの領土に対しいかなる譲歩もしてはならない」と付け加えた。
◇バンス副大統領、ゼレンスキー大統領に「無礼な行動」
この過程で会談場の雰囲気がますます悪化すると激しい舌戦が飛び交った。ゼレンスキー大統領が2014年のロシアのクリミア半島侵攻に対して話すと、同席したバンス米副大統領は「オーバルオフィス(ホワイトハウス執務室)に来て米国メディアの前でこの問題を提起するのは無礼な行動と考える。あなたはこの会見に招いた(トランプ)大統領に感謝しなければならないだろう」と話した。
◇ゼレンスキー大統領「ウクライナに行っことあるか」
これに対しゼレンスキー大統領が「ウクライナに行ってみたことがあるのか。われわれが持っている問題を見たのか」と問い返した。バンス副大統領は「私は実際にそうした話を見聞きした。米国大統領執務室に来て国(ウクライナ)の破壊を防ごうとする(米国)政府を攻撃することが礼儀だと思うのか」と正面からやり返した。
ゼレンスキー大統領が続けて確実な安全保障措置に対して話すと、トランプ大統領は語調を高めて「あなたは数百万人の命をかけて賭博をしている。第3次世界大戦をかけて賭博をしている。あなたがしていることは多くの人々が話すことよりはるかにあなたを支持したこの国(米国)に非常に無礼なこと」と話した。
バンス副大統領が対話に割り込み、ゼレンスキー大統領に「感謝するという言葉を一度でもしたか」と尋ねるとゼレンスキー大統領は「何度もした」と応酬した。
◇トランプ大統領「あなたにはカードがない」
トランプ大統領は再びゼレンスキー大統領を眺めて「あなたは勝っておらず、勝つことができない。あなたは感謝しなければならない。あなたにはカードがない」ともした。この場面でトランプ大統領の顔が赤くなり声が高まった。相互尊重に基づいた首脳会談の場で相手国首脳に向け「感謝すべき」という表現を使うのは相当な外交的欠礼といえる。
両首脳は50分にわたり行われた公開発言で舌戦を行った後、現場取材陣を送り出した。トランプ大統領は「私たちは十分に見たようだ」とした。
ゼレンスキー大統領は予定より早いこの日午後1時40分ごろ、硬い表情でホワイトハウスを離れた。取材陣が質問を投げかけたが答えなかった。フォックスニュースは「トランプ大統領がゼレンスキー大統領にホワイトハウスから出て行くよう要求した」と報道した。
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