ドイツ総選挙で極右系「ドイツのための選択肢」（ＡｆＤ）が第２党になり、アリス・ワイデル（４６）共同党首の認知度が急浮上している。２４日（現地時間）、ドイツ連邦選挙管理委員会が発表した開票結果、ドイツのための選択肢は前日の総選挙で２０．８％の得票率を記録した。連立政権参加の可能性まで取りざたされるほどの大躍進だ。

今回の選挙を率いたワイデル氏は、「ドイツのためのアリス！」という党員のスローガンからも分かるように、ＡｆＤの成長を象徴する人物だ。ワイデル氏は減税政策を打ち出し「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャー元英国首相を自身の政治的ロールモデルにする。


ワイデル氏は反移民政策の先鋒でもある。ワイデル氏は「幼年時代に移民者に侮辱と虐待を受けた」「不法移民者はブルカをかぶった女性と政府補助金を受ける刃物使いの男性、その他の役に立たない人間たち」とし、党の右傾化を陣頭指揮してきた。


「法律家出身の６０代男性」が主流であるドイツ政界で比較的に新鮮だという評価を得たりもする。党勢が弱い旧西ドイツ地域出身という点も党の裾野を広げることに大きく役立った。英国スカイニュースは「ワイデル氏はＡｆＤが『中間階級、浮動層、ドイツ西部』という要衝地を攻略するカギ」と指摘した。

ワイデル氏の個人史は議論の的となっている。アドルフ・ヒトラー氏が任命した判事であるハンス・ワイデル氏の孫娘であり、スリランカ人パートナーと暮らし、２人の息子をもつレズビアンだからだ。そのため、「伝統的な家族像を擁護する男性中心の反移民政党の指導者には似合わない」（ポリティコ）という評価も出ている。

このような批判を意識してか、ワイデル氏は自分を性的少数者と定義せず、「ＡｆＤにおいて性的アイデンティティは重要な議題ではない」と主張している。