ウクライナのゼレンスキー大統領
ゼレンスキー氏は現地メディアに「多様なメディアから出ている内容は、トランプ氏の公式的な計画ではないと確信する」と述べた。ゼレンスキー氏の今回の発言は、米国・ロシア中心の終戦計画は受け入れがたく、トランプ氏の公式的な交渉計画を待っているという意味と解釈される。実際、ゼレンスキー氏はこの日、「私は明確な平和計画構想を持っている」とし「ウクライナと米国が協力して平和計画を用意するだろう」とも語った。
これに先立ちブルームバーグ通信は5日、複数の消息筋を引用し、トランプ政権が14-16日の独ミュンヘン安全保障会議で同盟国にウクライナ終戦青写真を提示する予定だと報じた。報道によると、この構想には双方が交戦を暫定中断し、ロシア軍の占領地をひとまず置いたままウクライナの安全を保障するという大きな枠の中で、もう少し具体的な案が含まれるという見方だ。
この日、ロシア当局は米国と終戦案関連の議論が進行中という事実を初めて公式的に認めた。トランプ氏のウクライナ・ロシア特使キース・ケロッグ氏も「米国はしっかりとした信頼できる計画を保有している」と明らかにした。ただ、ケロッグ氏はミュンヘン安全保障会議でウクライナ平和計画を発表しないと否認した。
「トランプ終戦計画」をめぐるウクライナとロシアの激しい主導権争いが本格的に始まる見通しだ。ロシア現地メディアはロシアのプーチン大統領とトランプ氏がウクライナ終戦などを議論する首脳会談を近く行う予定だと報じた。また、ケロッグ氏は今月下旬にウクライナを初めて訪問してゼレンスキー氏と会う予定だ。
こうした中、トランプ政権はバイデン前政権が設立した多国籍ウクライナ支援協議体の座長を英国に譲る計画だ、とニューヨークタイムズ(NYT)がこの日報じた。
報道によると、ヘグセス国防長官は13日にベルギー・ブリュッセルで開催される「ウクライナ防衛連絡グループ」(UDCG)会議に出席するが、会議は主宰しないとみられる。UDCGは米国主導で設立されて約50カ国が参加し、ウクライナを支援する定期的な会議を開いている。
ウクライナ追加支援に否定的なトランプ政権が支援協議体の座長から退けば、今後の米国のウクライナ支援は不透明になるという評価が出ている。
この記事を読んで…