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韓国取引所(KRX)金市場で5日、金現物の1グラム当たり価格は14万7820ウォンで取引を終えた。前営業日終値の14万1350ウォンから6470ウォン(4.58%)上がり最高値を更新した。上昇幅で見れば過去4番目だ。1年前の昨年2月5日と比較すると8万7050ウォンから69.8%急騰した。韓国金取引所で純金1匁を買う時の価格も5日基準56万6000ウォンで今年に入り7%以上上昇した。細工費や付加価値税などを加えれば消費者価格は60万ウォンを超える。韓国取引所によるとこの日の金取引代金は188億3637万ウォンで取引所金市場が開設された2014年3月24日以降で最大を記録した。取引所の1日金取引代金が1000億ウォンを超えたのも初めてだ。
トランプ米大統領の就任後、米中関税戦争の序幕が上がり金価格は連日上がっている。トランプ大統領の関税政策が本格化すれば物価が高騰し景気が沈滞しかねないという不安感から安全資産に対する需要が大きくなった影響だ。フォレックスライブなど外信によると、4日の金現物価格は1オンス当たり2845.48ドルで取引され過去最高を塗り換えた。金先物価格も上昇した。ニューヨーク商品取引所で4月引き渡し分金先物終値は前日より0.7%上昇した2875.80ドルで最高値を付けた。
国際金融市場で金価格は2023年10月から急上昇してきた。米国の金利が5.5%まで上がった時だ。米国の金利が高ければドルが高くなるため投資需要が集まり金価格は下がるものだが、この公式が壊れた。同年10月のイスラエルとハマスの戦争勃発、ロシアとウクライナの戦争長期化などで地政学的リスクが大きくなり金の価値が高まったという分析が出ている。
昨年各国の中央銀行が外貨準備高多角化次元で金を買い入れてきたのも金価格上昇に影響を及ぼした。2022年のロシア・ウクライナ戦争後に西側諸国がロシア中央銀行の資産を凍結し、米ドル体制に不安を覚えた新興国の中央銀行が金保有量を大きく増やした。昨年ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が68カ国の中央銀行を対象に質問した結果、29%が今後12カ月以内に金保有を増やすと答えた。2019年の8%から大きく増えた。金属情報会社キトコメタルズのジム・ウィッコフ首席市場分析家は「トランプ政権の市場不確実性招来、中央銀行の金買い入れ増加の可能性などを考慮すれば金価格は今年1オンス当たり3000ドルに達するかもしれない」と予想する。
ただ今年金価格が上がっても上昇幅は限定的であるとの見通しが出ている。金価格が高評価されているという見方が優勢なだけに価格調整を受ける可能性があるという話だ。トランプ大統領の関税政策がインフレの懸念を育て米国の利下げへの期待が弱まったのも金価格を落ち着かせる要因だ。金はインフレリスクを分散する資産だが金利が高ければ金の投資魅力は減る。米国経済が軟着陸して再びリスク資産に対する人気が高まり、トランプ政権の政策支援が加わり、株式や暗号資産などに投資が分散する余地もある。
新韓銀行のエコノミスト、ペク・ソクヒョン氏は「地政学的リスク、米国のインフレ期待心理が大きくなれば金価格がさらに上昇するだろう。ただ上昇幅は限界があるだけに、金保有比率を過度に増やすより資産ポートフォリオの一部と考えるのが良い」と話した。
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