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【時論】超高齢化という「灰色のサイ」を今こそ食い止めなくては=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

高齢者雇用博覧会を訪問した就職希望者が採用公告掲示板を見ている姿をイメージ化したもの。 [写真 中央フォト]

危険を感知しながら見ないふりをして、まともに対応できない状況を「灰色のサイ(Gray Rhino)」という。大韓民国の「灰色サイ」はかなり以前に姿を現した「高齢化」問題だ。昨年12月末を基点に65歳以上人口が全体人口の20%以上という超高齢社会に突入した。世界で最も速く高齢化が進んでいて、そのペースはますます加速している。向こう15年間、高齢化速度は従来の2倍である毎年約1%ポイントというペースで速まる見通しだ。20年後の2045年になれば、韓国は高齢人口の比重が37.3%となり、世界で「最も老いた国」になる見通しだ。

このように超高速高齢化の最も大きな原因は「ベビーブーマー(Baby Boomer)」の高齢層進入が20年にかけて現実化するためだ。日本の団塊の世代は5年内に高齢層への進入を終えた。反面、韓国のベビーブーム世代は長期間にわたり高齢層に進入し、高齢化に加速する。そのうえこれより前に高齢層に入った高齢者は後期高齢者に編入され、25年後には国民4人に1人は75歳以上の高齢者になる。

高齢化による労働力の減少、年金と社会保険財政の枯渇は国家の根幹を揺さぶる脅威だ。生産年齢人口の減少は経済成長にブレーキをかけ、医療や年金など社会支出の急増は福祉システムを崩壊させる懸念がある。第1次ベビーブーマー(1955~1963年生まれ、705万人)が後期高齢者への進入を控えていて、第2次ベビーブーマー(1964~1974年生まれ、954万人)の引退が本格化する今が最後のゴールデンタイムだ。


このため、国民年金・健康保険・長期療養保険などを合理的水準に保障し、持続可能性も備えるように高費用・低効率の社会保障システムを革新しなければならない。これを支える成長モデルは高齢者の継続雇用によって経済活動人口を拡充し、Kロボットなどエイジテック(Age Tech)で高齢親和的な革新を推進し、生産性中心に転換しなければならない。

低出産高齢社会委員会はこの方向にあわせて、1月23日、ケアサービス・住居、雇用・所得、技術・産業など3大分野に分けた「超高齢社会対応方向」を発表した。最も喫緊のケアサービス・住居分野の場合、地域社会中心の統合ケア体系の強化方案を打ち出した。雇用・所得と技術・産業分野も順次政策を発表する計画だ。

地域社会中心の統合ケア体系強化方案は、自宅で受られるケアサービスを大幅に増やし、自宅で安らかな老後を送れるように住居環境を改善し、施設や病院中心の高費用ケア体系を改善する3つの方案で構成されている。

まず、高齢者ケアの対象をすべての高齢者に拡大し、在宅長期療養サービスを大幅に増やし、これからは住んでいた場所でケアを受けられるようにサポートする。マンション中心の韓国住居文化と高齢者の需要を考慮して自宅で安全な老後を送ることができる住居環境の構築にも注力する。一定比率以上の高齢親和住宅を建設する場合、容積率の引き上げなどインセンティブを提供し、需要が高い都心は容積率を上限の1.2倍に引き上げる。

療養病院への不必要な社会的入院を減らし、医療必要度が高くなければ自宅で老後を送れるように療養病院の機能を専門化・細分化する。首都圏など高い地価で療養施設が不足した地域は非営利法人が土地と建物を賃借りして療養施設を運営することができるように許容する。

今後発表する雇用・所得分野は引き続き雇用の条件を整え、定年の延長、高齢者の基準年齢、年金改革など鋭敏な問題は公論化を経て具体的な改編方案を模索するだろう。技術・産業分野はエイジテックへの投資を拡大してシルバー経済を拡散し、医療・療養などケアコスト節減への対策準備に注力するだろう。

今回の対策は超高齢化を正面突破することが核心だ。高齢者年齢、定年、社会保険など鋭い利害関係の対立で短期間では結論を出しにくい問題も、関係部署や専門家、利害関係者などと幅広く議論して年内に発表される「第5次低出産高齢社会基本計画」に具体的方案を盛り込む方針だ。

このような対策と共に高齢層を「能動的活動主体」として見つめる社会・文化的な認識の転換も必要だ。政府や企業、すべての国民が超高齢社会の変化を受け入れて認識転換を実践すれば、私たちが直面した灰色のサイを食い止めることができるはずだ。

◆外部者執筆のコラムは中央日報の編集方針と異なる場合があります。

周亨煥(チュ・ヒョンファン)/低出産高齢化委員会副委員長



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