オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者
◇どんなことが
オープンAIは3日、東京で新たなAI検索・研究ツールである「ディープリサーチ」を公開した。AIが研究水準の分析を遂行できるように機能を拡張したのが特徴だ。目立った点はオープンAIが初めてジェミニやクロードなど主要モデルだけでなくディープシークまで含んだ性能比較データを直接公開したことだ。オープンAIが公開した結果によると、現在最も難しいAI性能評価(ベンチマーク)と呼ばれる「人類最後の試験」で、ディープリサーチは正確度26.6%と、9.4%であるディープシークの推論モデルr1に比べ2.7倍高い正解率を見せた。オープンAIが技術的に優位にある点を強調したとみられる。ITメディアのテッククランチは「現在多くの(シリコンバレーの)AI研究室でウォールーム(リアルタイム対応状況室)を運営しているようだ」と分析した。
◇シリコンバレーの理由ある危機感
技術的に見ればディープシークr1が安い値段でオープンAIの推論モデル「o1」と類似の性能を見せているのは事実だが、最新モデルである「o3」には満たないというのが専門家らの評価だ。今回公開されたディープリサーチや研究中であるモデルの性能を考慮すれば、まだ中国製AIが米国のトップランナーを超える水準ではないということだ。それにもかかわらずシリコンバレーが緊張する理由は、製造業やコマースで見せた中国の超低価格攻勢をAIでも繰り返す可能性があるからだ。損失を出してでも原価以下で製品を売り、シェアを増やした後で覇権を掌握するやり方だ。
また、中国がAI人材と資本を軍事力に積極的に活用する懸念もある。議会、市民社会など統制装置がない中国がAIを本格的に軍備競争に活用するならば統制するのが難しくなるという懸念だ。米AIスタートアップ、アンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)は自身のブログに「AI産業が軍事力と結合するならば、中国がAIだけでなくすべての面で世界の舞台で主導的な役割をするのに決定的な役割をできる」と分析した。
◇オープンソース生態系育てる中国
ディープシークのモデルがオープンソースで開放された点も懸念を加える。低価格でオープンソースのモデルで生態系を早く掌握する懸念が大きいためだ。オープンソースとは閉鎖型と違いソフトウエアコードなどAIモデルの開発情報を一般に公開することを意味する。すでに先発走者を中心に形成された生態系に一歩遅れて参入してもより多くの利用者を確保して勢力を早く拡張していくことができるという長所がある。オープンAI、グーグルなど先発走者に比べ遅く始めたメタのような後発走者が主に使う戦略だ。
「オープンAIの新モデル、ディープシークより2.7倍正確」…シリコンバレーの反撃(2)
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