当初の関税賦課時点だった４日０時から米国産酒類の販売を中断することにしたオンタリオ州が独占運営する酒類売り場ＬＣＢＯでは撤去作業が中断された。この日午前にメキシコが事実上「白旗投降」しながら３０日間の関税猶予が決定された後だ。ある店員は「午後に首脳電話会談を控えて作業中断の指示が出た。カナダ政府も右往左往し一部市民も『米国産不買』を叫びながらも在庫負担のため安く売る米国酒類を大量購入するのを見て何が正しいのか私もよくわからない」と吐露した。

実際に売り場には米国産酒類のショーケースのあちこちがすでに空いていたが、何人かの客はカートいっぱいに米国産酒類をかき集めていた。

これを見ていたエリオット・リーさんは記者に「もっと大きな問題は経済的構造」と話した。彼は「外国企業が高い税金を払わせるカナダに工場を作った理由がカナダと米国の無関税恩恵のためだった。トランプ大統領は関税のため外国工場が離れればカナダが途轍もない失業難を抱えることになり耐えられないだろうという弱点を狙ったもの」と指摘した。その上で「こうした従属構造のため米国から流入する銃器類には一言も言えずフェンタニル流入という話にならない主張になすすべもなくやられることになった」と付け加えた。


トルドー首相はこの日、トランプ大統領との電話会談でフェンタニル対応組織を新設し、組織犯罪と麻薬、マネーロンダリングに対処するための米国との合同打撃部隊を発足させると約束した。事実上関税猶予に向けカナダが中国産フェンタニルの流通経路であることを自認した形だ。

すでに空港業務は中国人を集中管理する形態に転換された状況も確認された。この日トロント国際空港の入国審査台４カ所すべてに中国系税関職員が配置され、これら窓口の前には中国人だけが長い列を作り厳しい入国審査を受けた。これに対し非中国系外国人の相当数は窓口に行かず簡単な質問だけで入国が許可された。税関職員は「正確な背景と時期はわからないが、トランプ大統領再執権後に中国人に対する審査が厳しくなった。中国系職員が集中したトランプ大統領の要求と関連があるようだ」と話した。

カナダ韓国人商工会議所のチョ・ジュンサン会長は中央日報に「カナダが政治的には強く反発したが簡単に揺れた理由は米国が関税を１年だけ持続しても事実上崩壊しかねない経済従属構造のため」と話した。その上で「関税猶予決定は問題が解決されたのではなく今後関税が繰り返し交渉の武器として使われるだろうという点が確認されたもの。このためカナダにすでに大規模資金を投資した韓国企業も投資金を無駄にしてでも米国に拠点を移すべきかを悩まなければならない不確実性が繰り返される可能性が非常に大きい」と懸念する。


「くそったれのトランプ、米国産安物ワインなんか飲まない！」カナダが立腹（１）