21日、ソウル鍾路区斎洞の憲法裁判所付近のクッキー店に「警察のおじさん!おいしいコーヒーを売ります。さらにおいしいクッキーも売ります」と書かれた立て札が置かれている。 イ・アミ記者
リュさんの店は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾審判弁論期日(21日)出席を控えて警察が憲法裁判所周辺の通行を統制したことで客が途絶えた。リュさんは「あまりにも通行人が少ないので警察や憲法裁の職員に販売しようと思って立て札を作った」とし「憲法裁を死守することを理解できないわけではないが、結局これによって苦しむのは自営業者だけ」と訴えた。
尹大統領の弾劾審判弁論期日のため憲法裁前と安国洞(アングクドン)の自営業者が直撃弾を受けた。尹大統領の出席の前後に安国駅5番出口一帯に数百人のデモ隊が集まり、警察は暴動事態を防ぐために憲法裁前の道路通行を完全に遮断した。警察車の「車壁」も設置され、この日、斎洞と安国洞一帯は流動人口が消え、付近の店舗は「開店休業」状態が続いた。
尹大統領側の弁護人は来月13日までに予定された5回の弁論期日にも大統領がすべて出席する計画であることを明らかにした。このため憲法裁前で集会は期日だけでなく毎日続くと予想され、自営業者の心配は深まっている。
3次弁論期日の21日にも安国駅2番出口から斎洞小学校までの約200メートル区間が午前11時30分から午後5時まで全面統制された。警察が設定した秩序維持ラインの内側にある店はテーブルががら空きで、ある飲食店は「臨時休業案内」の紙を貼っていた。
いつもは行列ができるベーカリーカフェの職員は「普段は客が並ぶ時間だが、今日は通行人がいないので客が大きく減った」とし「午後に交代で出勤する時もデモのために道が混んでいて遅刻した」と話した。20年前から安国洞でカルグクス(麺料理)店を経営するAさんは「今日は売り上げが30-40%落ちたうえ、10人の夕食の予約もキャンセルになった」とし「今後もデモが続けば経営が厳しくなりそうだ」と語った。
憲法裁周辺を迂回しなければいけない住民も不便を訴えた。この日、路地ごとに20余人ずつ配置された警察は市民一人一人に行先地を尋ねた。衣料品店に行くというパクさん(27)は「ショッピングをしに来たが、出入りが統制されていて驚いた」とし「警察が店まで同行した」と伝えた。
憲法裁の裏側で宅配をしていた運転手はトラックが入れず、手押し車に10箱ほど載せて移動した。健康食品店を経営するBさんは「注文を受けた商品を今日中に必ず発送しなければればいけなかったが、結局、送ることができなかった」と話した。
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