韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が21日午後、ソウル鍾路区斎洞(チョンノグ・チェドン)憲法裁判所で開かれた弾劾審判第3回弁論期日に出席して被請求人側に座っている。チョン・ミンギュ記者
◇大法院「投票用紙に折りたたまれた跡がある…不正選挙の証拠ではない」
尹大統領弁護団は21日、弾劾事件第3回弁論で不正選挙疑惑に関するプレゼンテーション(PT)を5分間行った。都泰佑(ト・テウ)弁護士は新札の束のようなパリっとした投票用紙、官印がにじんだ投票用紙などの写真をスクリーンに映し出した。都弁護士は「国権侵奪勢力による巨大な不正選挙疑惑があったが、選管委と裁判所、捜査機関を通じて制度的に解決されることができず、国家非常状況を招いた」と主張した。
この日提示された写真は、2021年6月28日に大法院が進めた「仁川延寿(インチョン・ヨンス)乙」選挙区の選挙無効訴訟の再検票現場で撮影された写真だ。第21代総選挙で落選した閔庚旭(ミン・ギョンウク)元未来統合党(現国民の力)議員は選挙が操作されたとして2020年5月に無効訴訟を起こし、大法院は閔氏の申請により保管されていた投票箱などを用いて翌年22時間かけて手作業で再検票を実施した。
審理の末に大法院第2部〔主審・千大燁(チョン・デヨプ)大法官(最高裁判事)〕は2022年7月「原告の主張は受け入れることはできない」として閔氏の請求を棄却した。この時、大法院は43ページ分の判決文で不正選挙疑惑に対して一つひとつ反論した。
前日、尹錫悦大統領側が証拠として提示した「新札の束のようなパリッとした投票用紙」に対する判断もこの時行われた。尹大統領側は「正常に記票した後に折りたたんで投票箱に入れた投票用紙と見ることができず、印刷所で裁断されて運ばれた様子」としながら、これを不正選挙の証拠だとして提示した。
大法院は「投票用紙は100枚単位でまとめられ、相当期間証拠保管されていたため、外観上は折りたたまれた跡が鮮明に見えないこともある。原告(閔庚旭)が『折りたたまれた跡がない』として選別した投票用紙のうち、相当数で実際には折りたたまれた跡が確認された」とした。また「候補が4人しかいなかったため、折りたたまずに封筒に入れることが可能そうに見える」とした。用紙は忠北(チュンブク)大学木材・紙科学科のシン・スジョン教授が投票用紙を受け取り、顕微鏡などで鑑定した。
◇「インクをつけ直して押した場合、押印部分が広がる…偽造証拠ではない」
いわゆる「日章旗投票用紙」写真も憲法裁判所審判廷に登場した。「日章旗投票用紙」は、投票管理官の押印の部分がつぶれ、まるで日章旗の中心の赤い丸のように見えるという意味で生じた言葉だ。不正選挙疑惑を主張する側では「押印の部分がつぶれた投票用紙は誰も見なかった。これは偽の投票用紙が混入した証拠」と主張する。これに対して選管委は「インクが漏れたり別途朱肉をつけて押したりするなどの失敗のため」と反論してきた。
2022年大法院は再検票過程で押印がつぶれた294票を無効票に分類しながらも、このような投票用紙が不正選挙の証拠という主張は受け入れなかった。大法院は「投票所で使う印鑑はインクが注入されたいわゆる万年印鑑の形態だが、これとは別に赤色スタンプも備品で提供される」とし「スタンプインクをつけて捺印する場合、松島二洞(ソンドイドン)第6投票所で発見されたものと類似の形の印影が現れる事実を知ることができる」とした。また、このような票が無効票処理されることとは別に、偽造の証拠とすることはできないと判断した。
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