◇岐路に立つ韓国IT=対外環境が激しく揺れ動くだけに、韓国の技術・投資の生態系も試されるほかない。最も大きな嵐はやはり「トランプ2.0」だ。ある育児関連スタートアップの代表は「今後韓国で米国事業をできる門戸はさらに狭まりそうで最初から米国に会社を構えることも検討したが、書類作業などだけで数億ウォンかかり運営費も出せなくなると思いあきらめた」と吐露した。ベンチャー企業協会が400社を対象に調査し先月23日に発表した結果によると、回答企業の52.3%がトランプ政権の政策変化が経営環境に否定的な影響を及ぼすだろうと答えた。肯定的影響を予想したのは10.6%にすぎなかった。
こうした状況で、投資の減少も深刻化している。スタートアップ分析メディアのVCによると、昨年韓国のスタートアップ対象投資規模は5兆6426億ウォンで(12月15日基準)、2023年の7兆4684億ウォンより33%減少した。ベンチャー企業協会のイ・ミニョン政策研究チーム長は、「大企業も投資を減らす所が多く、民間資金や企業型ベンチャーキャピタル(CVC)投資も大きく減っているようだ。見通しは良くない」と分析した。世界進出を正解であり突破口と考えてきた韓国企業だけに、主要国の貿易障壁積み上げと景気不況まで重なった対外環境の変化はさらに致命的となりかねない。
国内事情も厳しいのは同様だ。非常戒厳と弾劾政局のためだ。政界の地形変化は規制政策の軌道変化に直結する。弾劾後に政局主導権を握った野党「共に民主党」はプラットフォーム・IT企業に対する強力な規制を予告してきた。民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は昨年11月、「党の力を集中してオンラインプラットフォーム規制法を制定する」と話した。一部では民主党の基調変化に期待をかけているが、これまで野党が進めてきた主要規制法案が推進力を得れば、「敵味方関係ない全方向規制」が加えられかねないという懸念もますます大きくなっている。
◇公正なのか、逆差別なのか=問題は他の主要市場に比べて韓国の競争状況が複雑で、規制影響を予測するのもそれだけ難しい点だ。トランプ式経済ナショナリズムで保護対象になるのは自国のビッグテックであり、欧州と日本などが「反独占」の原則の下でビッグテックを牽制すれば力を得るのはやはり自国企業だ。これに対し韓国ではネイバーやカカオに代表される国産IT・プラットフォームサービスがまだビッグテックと激しい競争を繰り広げており計算がさらに複雑だ。米国の圧迫が続く状況で米国のようにはばかることなく国内企業の肩を持つのは難しく、欧州式一括規制をしてもビッグテックの代わりに韓国企業が不利益をみることになりかねない。「反独占規制という公正に見える刀が欧州では自国の産業を保護するが、韓国では内部に向かう刀になるかもしれない」(プラットフォーム企業関係者)ということだ。
こうした背景の中で韓国市場を狙う海外企業も増加している。モビリティプラットフォームのウーバーは数回にわたり攻略に失敗した韓国市場で再び攻勢に転じた。先月20日にTマップモビリティから合弁会社の株式をすべて買い取ることにし独自経営に出た。韓国市場を支配するカカオモビリティは各種制裁と規制でぐらついている状況だ。
◇不安な企業、新年の希望は=成長の代わりに最小限生き残ることを望むスタートアップはより積極的な支援を訴えている。コマース事業を準備しているあるスタートアップ代表は「投資を受けるためにわれわれの事業を説明できる機会すら大きく減った。政府でも早く実質的な支援をしてほしい」と話す。また「ビッグテックと競争する韓国企業も保護してほしい。最小限逆差別は受けないようにしてほしい」という声も出ている。合理的・防衛的次元の「自国企業優先主義」が必要ということだ。海外企業が相次いで政府の規制を回避したり社会的要求に反旗を翻す状況で、韓国企業に力を与えることが戦略的解決策になるとの主張もある。業界関係者は「海外企業は本社の利益と戦略が最優先だが韓国企業は規制当局と利害関係者の顔色をうかがうほかない」と話した。
トランプと弾劾だけではない…「全滅危機」の韓国IT業界、4つの悪夢(1)
こうした状況で、投資の減少も深刻化している。スタートアップ分析メディアのVCによると、昨年韓国のスタートアップ対象投資規模は5兆6426億ウォンで(12月15日基準)、2023年の7兆4684億ウォンより33%減少した。ベンチャー企業協会のイ・ミニョン政策研究チーム長は、「大企業も投資を減らす所が多く、民間資金や企業型ベンチャーキャピタル(CVC)投資も大きく減っているようだ。見通しは良くない」と分析した。世界進出を正解であり突破口と考えてきた韓国企業だけに、主要国の貿易障壁積み上げと景気不況まで重なった対外環境の変化はさらに致命的となりかねない。
国内事情も厳しいのは同様だ。非常戒厳と弾劾政局のためだ。政界の地形変化は規制政策の軌道変化に直結する。弾劾後に政局主導権を握った野党「共に民主党」はプラットフォーム・IT企業に対する強力な規制を予告してきた。民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は昨年11月、「党の力を集中してオンラインプラットフォーム規制法を制定する」と話した。一部では民主党の基調変化に期待をかけているが、これまで野党が進めてきた主要規制法案が推進力を得れば、「敵味方関係ない全方向規制」が加えられかねないという懸念もますます大きくなっている。
◇公正なのか、逆差別なのか=問題は他の主要市場に比べて韓国の競争状況が複雑で、規制影響を予測するのもそれだけ難しい点だ。トランプ式経済ナショナリズムで保護対象になるのは自国のビッグテックであり、欧州と日本などが「反独占」の原則の下でビッグテックを牽制すれば力を得るのはやはり自国企業だ。これに対し韓国ではネイバーやカカオに代表される国産IT・プラットフォームサービスがまだビッグテックと激しい競争を繰り広げており計算がさらに複雑だ。米国の圧迫が続く状況で米国のようにはばかることなく国内企業の肩を持つのは難しく、欧州式一括規制をしてもビッグテックの代わりに韓国企業が不利益をみることになりかねない。「反独占規制という公正に見える刀が欧州では自国の産業を保護するが、韓国では内部に向かう刀になるかもしれない」(プラットフォーム企業関係者)ということだ。
こうした背景の中で韓国市場を狙う海外企業も増加している。モビリティプラットフォームのウーバーは数回にわたり攻略に失敗した韓国市場で再び攻勢に転じた。先月20日にTマップモビリティから合弁会社の株式をすべて買い取ることにし独自経営に出た。韓国市場を支配するカカオモビリティは各種制裁と規制でぐらついている状況だ。
◇不安な企業、新年の希望は=成長の代わりに最小限生き残ることを望むスタートアップはより積極的な支援を訴えている。コマース事業を準備しているあるスタートアップ代表は「投資を受けるためにわれわれの事業を説明できる機会すら大きく減った。政府でも早く実質的な支援をしてほしい」と話す。また「ビッグテックと競争する韓国企業も保護してほしい。最小限逆差別は受けないようにしてほしい」という声も出ている。合理的・防衛的次元の「自国企業優先主義」が必要ということだ。海外企業が相次いで政府の規制を回避したり社会的要求に反旗を翻す状況で、韓国企業に力を与えることが戦略的解決策になるとの主張もある。業界関係者は「海外企業は本社の利益と戦略が最優先だが韓国企業は規制当局と利害関係者の顔色をうかがうほかない」と話した。
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