「ドナルド・トランプ２．０」時代の幕が上がった。米国のトランプ大統領は２０日正午（現地時間、日本時間２１日午前２時）ワシントンＤＣ議事堂内の中央ホール（ロタンダ）で聖書に手をのせて宣誓した後、就任演説を行い、第４７代大統領に公式に就任したことを知らせた。

トランプ大統領はジョン・ロバーツ最高裁判所長官の前で米国憲法第２条第１項に登場する文面通り「私は米国大統領の職務を誠実に遂行し、最善を尽くして米国憲法を保存して保護し、守護することを厳粛に誓う」と宣誓した。

さらにパワーアップした「ＭＡＧＡ（米国を再び偉大に）」を前面に出したトランプ大統領が４年ぶりに超強大国の権力の座に復帰し、世界経済・安保秩序には改めて地殻変動が予告される。トランプ第２期は第１期の単なる延長ではない。徹底した米国利益中心の「米国第一主義」基調の中で同盟や貿易・通商など既存の国際秩序が全面的に再編される兆しだ。


トランプ大統領は「米国衰退の幕が降りて米国の力と繁栄、尊厳と自負心の新しい日が始まる」と話してホワイトハウス再入城を知らせた。前日、ワシントンＤＣの大型室内スタジアム「キャピタル・ワン・アリーナ」で開かれた大統領選挙勝利集会で「ワシントンの失敗して腐敗した政界、政府の統治を一気に終わらせるだろう」と話した。

続いて就任直ちに「トランプストーム」が吹くだろうと示唆した。トランプ大統領は「歴史的な速度と力で行動し、米国が直面したすべての危機を解決するだろう」としながら「このためにオールスター内閣を構成した」と話した。就任前夜祭「キャンドルライト・ディナー」の演説を通じても「米国歴史上、最も偉大な４年を始める」としながら「就任後、数時間内に約１００件の行政命令に署名する」と明らかにした。あわせて「約束は必ず守るという原則を実践する」と誓った。大量の行政命令を通じてスピード感のある国政ドライブをかけるという意味だ。

「トランプの約束」は大きく▶国境保護▶エネルギー開発等を通した経済的繁栄▶左派イデオロギー廃止を通した「バイデン消し」－－など３つに集約される。トランプ大統領は「これまで開かれた国境を通じて入国した数百万人の人々のうち相当数は殺人者」とし「われわれは国境侵略を防いで不法外国人ギャング団や移住犯罪者を追放するだろう」と話した。

また「米国の富を取り戻すだろう」としながら「税金を引き下げて、インフレを終息させて物価を低くし、賃金を引き上げ、数千軒の工場を米国に戻す」とした。続いて「これは関税を通じて行われるだろう」としながら「関税爆弾」を予告した。これに関連し、米国のある消息筋は「トランプ大統領は深刻な国際収支不均衡を理由に外国産の輸入品に１５％の普遍関税をかける方案を検討していると承知している」と話した。

トランプ大統領はこの部分で「われわれは米国のものを作り、米国産製品を購入し、米国人を雇用する（Ｗｅ　ｗｉｌｌ　ｂｕｉｌｄ　Ａｍｅｒｉｃａｎ，ｂｕｙ　Ａｍｅｒｉｃａｎ，ｈｉｒｅ　Ａｍｅｒｉｃａｎ）」と話した。ちょうど８年前、執権第１期の就任式の時に「米国製品を買って米国人を雇用せよ（Ｂｕｙ　Ａｍｅｒｉｃａｎ，Ｈｉｒｅ　Ａｍｅｒｉｃａｎ）」と述べたが、「米国のものを作る」（Ｂｕｉｌｄ　Ａｍｅｒｉｃａｎ）が新たに追加された格好だ。すでに「トランプ効果」をあげているとしながら「日本ソフトバンクが１０００億～２０００億ドル（約１６兆～３２兆円）の投資を約束した」と伝えた。

「ウォーク（Ｗｏｋｅ）」（社会的不平等などに目覚めているという意味）文化と「政治的正しさ」を目指していたジョー・バイデン政府の跡にメスを入れるとも話した。「バイデン政府の急進的な行政命令や措置数十件を廃棄するだろう」としながらだ。トランプ大統領は「『ＤＥＩ』（多様性・公平性・包容性）政策を廃棄して能力主義に戻す」とし、「直ちに軍の目を覚まさせて、以前のような軍をつくっていく」とした。また「女性スポーツから男性（トランスジェンダー）を退出させる」とした。

トランプ大統領は外交安保政策に関しては「ウクライナ戦争を終わらせて中東の混乱を止めるだろう」と話した。また、米国で国家安保イシューによって退出危機に直面していたが、自身が介入してサービスを復旧させた中国の動画プラットフォーム「ティックトック（ＴｉｋＴｏｋ）」について「私はティックトックが好きだ。ティックトックのおかげで（大統領選挙で）若年層投票者の心を掴むことができた」とし「ティックトックが帰ってきた」と話した。

トランプ大統領の任期は米国憲法に基づき２０日正午を期してスタートする。